安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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米にへつらう北朝鮮
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〈 2007年 7月 15日 日曜日 )


●発表はアメリカ経由
北朝鮮が寧辺(ヨンビョン)の核施設を停止した。発表するに際し、北はを平壌入りしたIAEA査察チームが確認する前に、米に稼働停止を通知した。よって、第一報は国務省報道官の口からである。なんですか、北朝鮮のやり方にはアメリカへのご褒美とへつらいが見える。

米がマカオの北朝鮮口座を凍結解除したことで北の要求が通り、元に戻った。その後半年、引き出しをめぐるすったもんだは北の問題である。結局米が解決策をいろいろあたってくれたお陰で引き出せたわけで、そのお礼かたがたこの調子なら米はなんでも聞いてくれそうだと期待するへつらいです。

●解禁を急ぐ韓国
この先、第2段階として無能力化、すなわち『解体』がある。けれどもこの解体についての認識が協議6カ国でどうも一致していない。北はそれはないというし、韓国はそこまで求めて長引くより一日でも早く国交を自由にしたいと望んでいる。韓国は停止見返りの約束だった重油5万トン提供の一番タンカーがすでに北の港に到着した。ノムヒョン(盧武鉉)ワクワク、バンキー(潘基文)シメシメ、安倍ブゼン。

●一山を超えて見えるなお高き山
ヒルズはキケンな議題『解体』を後回しにして、全核施設の詳細なリストアップを次回協議の主要テーマにする。核施設の正確な情報を北がほんとうに出してくれるとでも思ってるの?。虚位の報告は拉致の調査報告ぶりから明らか。米の対北政策は国防省の発言力が低下していらい随分穏やかに辛抱強くなりました。そんな弱腰でいいのか、ばっさり切り捨てたボルトンの論文はここ:
http://aei.org/publications/pubID.26441,filter.all/pub_detail.asp

● ジョン・ボルトンの明察
現在はシンクタンクのAEIにいるボルトンが今月初めPyongyang Pussyfooting(平壌の忍び足)といういかにもボルトンらしいタイトルの論文をWSJに寄稿しました。ブッシュの対北政策を痛烈に批判し、ついでに安倍首相が北のミサイル発射実験に『国際社会の厳しい対応が求められている』と発言したことを評価しています。総連への締め付けをふくめ制裁を強化したのは日本だけである。

拉致へのこだわりと制裁強化によって6カ国協議で孤立し、事案によって米は日本を見捨てるという意見がある。そういう懸念は6カ国協議でいつも漂っていて、北は日本引き離しを露骨に各国代表に囁いてきた。

●拉致問題を取り下げるな
しかし拉致の不条理を訴えて国際的に孤立するとは面妖な言いがかりだ。これがもしイギリス人なりアメリカ人が拉致されたとしたら、米英はもっともっと強い圧力をかけています。イギリスはハマス・ミリタントに拉致されたBBC記者アラン・ジョンストンを飽くことない国民運動と国際社会への働かけで100日余の後、ついに解放させた。国外に拉致された国民を保護するのは政府の義務であり、信頼できる国とは共有する価値観にもとづいている。拉致問題とは主張よりも価値観の問題である。(了)



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