安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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救命行為と無差別テロ
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〈 2007年 7月 6日 金曜日 )


●急増したイスラム移民医師
未然に防いだロンドンのカーボンブとグラスゴー空港テロ事件の犯行容疑者が是認逮捕され、そのうち8人が医師及び医療関係者であったことで、これまで人々が抱いていたテロリストの人物像像を考え直さなければならなくなってきた。

イギリス各地にある公営の病院や各種医療機関は基本的に無料で、NHS(
National Health Service国民健康保険制度)が運営する。上記テロ容疑者の6人はこのNHSが雇用したいわば公務員である。で、慢性的に医師や看護人が不足しているイギリスにはどれくらい外国人が従事しているか、クリスチャン・サイエンス・モニター紙によれば過去3年で2万2千人が新採用になった。うち、900人がイラク人である。イラクの医師はその80%がすでに国外脱出を果たしたといわれている。

欧米外からの移民が厳しくなったのはその通りで、英仏独北欧など一応全面禁止が建前となっている。しかしながらワク外のスキルワーカー(専門職)があり、そのジャンルに従事する者なら容易にビザがおりるのです。以前はスシ職人を特別ジャンルに認めていた国が多かったが、いまじゃだれでもニギる。スシ職人ではビザが下りなくなりました。

余談ですが、欧州各国で取得した医師の資格は欧州内どの国でも有効、したがって当地ノルウェーでは短期代行で働く医師はノルウェー語ができず、よくお年寄りから苦情がでる。日本は欧州医師免許を認めず、日本語での再試験を要するので外人医師などめったにいない。その反動で、欧州も日本の医師免許を認めず互換性はないが、再試験の規則がなくそのへんは当事者同士で決まるようです。

●救命行為と無差別テロが同居
さて、どうして中東出身の医療関係者がテロを企てるようになったのか、わたしの創造にすぎませんが、ふたつ考えられるフシがある。
1) 中東出身の医師は本国で占領群の砲弾で病院に運び込まれた患者をたくさん見てきた。
2) イギリスで職を得た喜びはしばらく生活するうちに馴染めないタイプの者は、昇級がままならず、上級試験に合格する率はイギリス人医師より悪い。とうぜん鬱積がつもるだろう。

彼らはアルカイダなどのテロ組織と関係した過去がなく、またリクルートされたわけでもない。したがってちょっとアマチュアな犯行が特徴。日々の勤務では同僚たちと共に人命を助ける行為をしていながら、テロの方法を練っている不気味さが、テロの未来を暗示しているようで怖い。(了)



Pnorama Box制作委員会

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