安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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しょうがない久間防衛大臣
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〈 2007年 7月 2日 月曜日 )


週末休みしていたので二番煎じではありますが、久間さんのスキャンダル発言は今年2度目。どちらも周知の常識なのですがPOPを弁えない閣僚の常識欠如がスキャンダル化するのです。

●米を逆なでした久間=イラク発言
前回は『久間防衛相は辞めるがよい』1月31日で、失言は:
>イラク戦争について『核兵器がさもあるかのような状況でブッシュ米大統領は踏み切ったのだろうが、その判断が間違っていたと思う』、戦後処理について『後をどうやってうまく処理するか、処方箋がないままだった』。

これって【事後の】正論で常識です。ブッシュも認めているのですから。が、言ってよい人と言っちゃいけない任にある人がいることも常識ですが、久間さんは解っていない。>日米同盟関係ををないがしろにするような発言を平気でする国際感覚の欠如である。< 米政府からお灸を据えられた久間さんでしたが、今回もやっぱり久間大臣の常識にボロが出ました。

● 米を喜ばせた久間=原爆発言
こういうことは私的に議論するのは構わないが、公に講演会などで喋っちゃいけない立場を久間大臣はお忘れか、いや忘れるほどの思慮は持ち合わせていないようだ。>原爆投下は戦争終結を急ぎ、ソ連の参戦(北海道侵攻)を防ぐために米が踏み切った。おかげで東西ドイツのような分裂を免れた。< 

こういった原爆理解は一般的な欧米の常識で、おそらく日本人の多くも概ね認めているのではないか。当地のような米国批判が自由な国でも常識になっている。当地の中学生に『どうしてアメリカはヒロシマ、ナガサキに原爆を使ったのでしょう?』と尋ねれば、5人は知らないと答え、5人はソ連の参戦を止めるため、と教科書通り答えるのです。とはいえ我が国は被害国なんですから、閣僚が原爆被害を容認しては困ります。

同じ欧米でも戦史書の多くはやや違うニュアンスがある。イオウジマや沖縄の経験から原爆投下が最後の手段とアメリカ考えたことに異論はないが、トルーマンの意図は原爆の実験と、核保有によって米の威力をソ連に示し、世界大戦後のヘゲモニーを握ることにあった。そういう見方が少なくない事も付け加えておこう。

●しようがない It couldn't be helped.
A-Bomb was inevitable. I understand that the bombing ended the war, and I think that it couldn't be helped.モ 前回の発言は米の自己批判に同調しているせいで、苦々しい短い報道でしたが、今回の米報道は少し大きめに、どこか楽しそうな記事が目につきました。アメリカ人に潜むヒロシマ・ナガサキの罪悪感を和らげ、『そうなんだよ』と意を強くするでしょう。久間さん、あなたの罪は重いのです。



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