安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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欧州はコソボ独立に消極的賛成
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〈 2007年 6月 12日 火曜日 〉


●セルビアの言い分
コソボ独立支援を表明したブッシュ、昨日の続きを少々。当然ながらセルビアは憤慨、コシュトゥニーツア(Vojislav Kostunica)首相は猛然と反撃しました。『アメリカはセルビアの領土をアルバニアに譲渡する権利などない』!

プーチンの反応はまだ出ていませんが、プラウダの論調はブッシュは何も解っちゃいない、再びバルカンを戦火に包むつもりか』と厳しい。たしかに一理あるが故に、G8のアジェンダであったコソボ独立支援、具体的には前フィンランド大統領で世界の紛争調停に国連代表として活躍したマッティ・アティサリ氏が勧告したコソボ独立プロセスの国連決議を促すというもの、これがお流れになった。

●欧州のコソボ観
ブッシュひとりがいくら引っ張ってももはや世界はついてこない一例である。かといってもちろんプーチンの拒否権発動におそれて他の首脳がが引っ込めたのではない。イタリアはコソボ・アルバニアンによるマフィア犯罪、薬物取引、人身売買から密入国者の強盗コソドロまで、これ以上の被害は受けたくない。フランスも似たり寄ったりで初参加のサルコジは『いまセルビアとコソボ自治州が話し合いを始めたらケンカ腰になる』と、この問題に関して大いにしゃべり反対したといわれている。今回のまとめ役メルケルも次期尚早という意見である。とにかくコソボ・アルバニア難民の評判はいかんせん当地でも大変悪い。

ブッシュはコソボ独立をセルビアが認めるなら、セルビアと米の関係は改善されNATOのメンバーになり、ゆくゆくはEUのメンバーになると励ますが、欧州首脳たちはちょっと待ってくれと願いたいのです。コソボ独立は時代の流れ、セルビアは受け入れざるを得ないだろうことは欧州各国同意しているが慌ててことを仕損じてはならないというわけ。

●ミサイルの盾、ブルガリアのジレンマ
月曜日、ブッシュはアルバニアの東隣り、ブルガリアを最後に訪問。温かい歓迎を受けた。ブルガリアは2004年からNATOのメンバーであり、今年EU参入を果たした。イラクでは13人のブルガリア兵が死亡している(日本はなんてラッキーだったのでしょう)。それでもなおアフガンににいる200人を800人まで増派するとブッシュを喜ばせた。ポーランドとチェコに提供する「ミサイルの盾を所望したいとこrだが、ロシアへの考慮もあり悩ましいところである。(了)



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