安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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サルコジの新内閣の賭け
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〈 2007年 5月 16日 水曜日 〉


● サルコジ組閣に着手
新内閣の顔ぶれは、もちろんサルコジが大統領に就任してから正式発表されるわけですが、ほぼ出そろった。法と秩序を曲げないサルコジは硬球どころかテニスボールのように柔らかい。デモの視察に出たサルコジは、アパートの窓からワメク連中に指で足下を指差しながら『ゴロツキ、文句があるならここへ降りて来い』と、怒鳴る硬派ブリがブランドになりましたが、ナンパ上手で融通が利く個性が武器なのです。

首相は相棒のフィヨン、前回コラムに書いた夫人がイギリス人でサルコジの選挙参謀だった前教育省である。サルコジは女性を半数登用するなんて言ったましたが、本気でナンパやるらしい。

わたしは当地でさんざ女性政治家を見ているので食傷気味であります。当地ノルウェーの首相こそオトコですが、連立の左派と中央党党首は女性で財務と自治大臣としてはしゃぎまくっておられる。野党側では2大政党の一翼である進歩党の党首も女性、3番目の保守党のも女性党首。労働党はは次世代の副党首に3代になったばかりの女性を選んだ。大臣なんぞは素人女性議員でいっぱいだが、付け焼き刃でも務まるのが政治の世界らしい。政治が庶民レベルに広がりがプラス面が大きい一方で、レベル落ちの言動に唖然とすること日常茶飯である。

サルコジの新内閣は新風かもしれないが、無理に半数、7人も女性を登用するとスキャンダル閣僚の尻拭いに追われうのだはなかろうか。ミッテルランが任命したフランス初の女性首相クレッソンは暴言・失言癖で失敗した。日本文化と日本人に対する暴言ではサルコジ、ロワイアルも同じ部類で珍しくもないが、クレッソンのように無知で怖いものナシには対応不可能、お手上げだ。

●野党から外相を起用
もう一つの新風は外相を野党である社会党から起用する試み。先週末にジョスパンの左派連合政権で外相だったヴェドリネ(V仕rine) に打診した。が、良い返事が得られなかったのか、クシュネル(Kouchner)に要請した。クシュネルは社会党でも左派に属さない国際派で「国境なき医師団」の創設に名を連ねた医者、国連のコソボ調停委員長を務めた人道・人権派である。

社会党の人権・人道がネックになって外交交渉ができないなんてことよくありますから。しかし、クシュネルはコソボの経験から他民族迫害政権に厳しく、フランスでは数少ないイラク開戦容認派でした。それなら人道外交のためとあれば武力行使も辞さないかも。いまダルフールではそういう介入が必要であり、サルコジのアフリカ、中国、米に対する取り組みが期待される。(了)

というのは難しいEUについてはメラケルが国民投票で否認されたEU憲法の焼き直し、レールの敷き直しを進めているのでそちらのイニシアチブは任せておいてもよいが、ブレアが去った後、アフリカはじめグローバルな問題に西側から出ていける欧州人が求められている。(了)



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