安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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イラク安定会議
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〈 2007年 4月 29日 日曜日 〉


●アメリカ昨今
米カンサスのショッピングモール駐車場で銃撃事件、バージニアでの事件は伝染すると社会心理学者の意見でした。これもそうなのかな。

ジョージ・テネットがなんでいまさらイラクにWMDの証拠はなかったと言い出したのか。メモアールを出版しTVィンタビューで喋るのか。CIA長官だったテネットさん、パウエル長官が国連を納得させた演説の資料を作ったのはあなた、あなたが集めた情報でしょ。あののときパウエルの後ろでネグロポンテ国連大使より大きな得意顔で後ろに控えていたではないか。
   加害者が被害者のフリするイラクかな (白栲)

米大統領選挙民主党の指名争いはオバマがクリントンをそろそろ抜くかな、そんな勢いになってきました。両者が参加した討論会では思った通りオバマの勝ち。この人はスピーチの旨さ、聴衆をひく説得力でのし上がってきた。他方、ヒラリーは支持者をふやしチャンスが熟するまで雌伏数年を経た注意深い人ですから、弾みがない。どちらもイラク開戦に賛成したが、テネットのように当時の判断を責任転嫁するイヤらしさは持ち合わせたいない。後知恵を当時に戻して本を書いたイラクOBたちが数人いるが、すぐに忘れ去られた。G・テネットも同じ道をたどるだろう。

●イラク安定化会議にイランも出席
イラク安定化外相会議はイラク周辺国と国連安保常任理事5か国、重複するがG8も参加する。日本から麻生外相が出席する。宙ブラリンだったイランの参加が決まって、やっぱり出たかったのですね。ジバリ外相がテヘランまで出かけて懇願し、治安担当の実力者ラリジャニがバグダッドでマリキ首相と相談したり、いろいろ苦労してたようですが、イラン側が出たがっていたとおもう。イランではこの決定に保守派も喜んでいて、米との対話を欲しがっていたのがよくわかる。

そうはいっても核開発計画は続行するゆえに、米としてはたやすく応じられない。ライス長官は会議に参加する国と会議の議題について話すのは当然あるだろう、しかし交渉はしないという。この発言からマリキの顔をたててライス長官とモタツキ外相が「握手する場面」が必ずある。するとそれが『アメリカはポジティブな姿勢を示した』などとイランでデカデカと報じられるという筋書きである。

●イランの資源開発が軌道に
イランは国内の石油ガスを米に頼らず開発・生産するため積極的な技術導入、売り込みしたお陰でガスの開発が始まった。イラン石油相は今後80年の石油と300年のガス埋蔵量があると豪語し、すでにオーストリアへガス輸出の契約書を取り交わした。もちろんオーストリアからヨーロッパ各国へ売るのが狙いで、欧州企業も一枚加わっている。インド、パキスタンへの液化ガス輸出契約、中国はイラン国内で石油試掘し、チャベスが開発支援するなど、アメリカは置き去りになるのを座視できなくなってきた。

3-4日にかけて会議が開かれるシャルム・エルシェイクはエジプト紅海にある保養地で、欧州の客を当て込んで観光開発された所。近くにムバラクの別荘があり、克って中東ロードマップが発足した会議場所として知られる。北欧英仏などから毎日数本のチャーター機が発着し、息子、娘も行ったことがあるので聞くとエジプトなんか関係ない租界のようなところらしい。
(了)



Pnorama Box制作委員会

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