安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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イスタンブールの赤い旗
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〈 2007年 4月 29日 日曜日 〉


●チェロの最高峰
ゴールデンウイークですね。5月は当地でも休みの多い月です。5月の休祭日は; 11日(火) メーデー
17日(木) 憲法記念日、今年の昇天祭がこの日に重なり振り替え休日がないのでザンネン。
27日(日)精霊降臨日、日曜と決まっているので翌日を
28日(月)第2精霊降臨日としてお休みになるシキタリです。で土曜を入れて26.27.28日が連休。

今日はめっぽうなお天気、18度ですが太陽はきつく肌焼きをしました。ベルゲンの桜はいまが満開。本日は休みモードで気楽にニュース書きなぐっていきます。まずトルコから。

●イスタンブールにたなびく赤旗
ヘリコプターから赤い旗並みに埋め尽くされたイスタンブール(トルコ)の広場は何を意味するのか。このデモはハリリ殺害に抗議したヨルダンの群衆を上回る。イスタンブールのデモ隊30万人というのは広場と道路に密集できる限界があるからで、首都に集まった民衆は100万人といわれます。

こんなデモは日本じゃ絶対ありえない。飲み屋で駄弁るほうが似つかわしい至極まっとうな社会なのです。わたしは全学連華やかりし頃、学生でしたが生涯一度もデモに参加した事はない。理由は趣旨に反対であるとか、興味がないからではなくて、平和デモ、人権デモ、抗議集会など、デモ隊にはみな暴力的な要素があるので近寄らなかった。小さい頃、集会の終わった奈良公園はゴミだらけ、ひどいヤツラと思った印象が尾をひいている。

●イスラム化するトルコ政府
トルコの政情にもどります。エルドガン首相の推す大統領候補、外相のアブドゥラ・ギュルに野党が反撥し選挙をボイコットした。イスラム系与党がの勢力拡大を怖れた世俗派の抵抗です。ために、ガルは3分の2の投票を得られず、政府は2回目の投票を実施する。ま、トルコのイスラムは原理主義とはほど遠いリベラルですが、宗教者の発言がつよくなるとどう転ぶかわからない。

そこでデモの前、金曜日に軍部が登場。混乱する政府に軍服参謀長がTVにあらわれて介入を示唆しました。ビジネス界と軍人は政府のイスラム化に反対しており、軍人とて意見は自由だが、参謀長が政治に介入するとは心得違いも甚だしい。民主化への期待を裏切ったエルドガン首相への批判が多く、殆どダメになったEU加盟を完全に駄目にする政府への抗議が半分とギュル外相とギュルのワイフへの不評です。夫人はヒジャブ・スカーフを被りイスラム風習に忠実なトルコでは少なくなった女性。イランでは先週ヒジャブを被らなかったり、頭の毛が見えすぎで一斉取り締まりをおこない100人の女性が逮捕されました。イランに比べると格段に自由なのですが、それだけ逆行の気配に敏感といえる。

さて、選挙はどうなるかですが、可能性の順に並べると_このまま第2回、それでも駄目なら単純な多数決できまる3回目でガルが大統領に確定する。_これを阻止する反政府派が連続デモで辞任・総選挙をかち取る。_裁判所が選挙を無効とし、候補者を立て直して中立候補に決まる。

オリエントエキスプレスはパリからイスタンブールまで、そこまで欧州と思いたかった英仏にそもそも誤審があった。(了)



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