安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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サルコジかロワイアルか
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〈 2007年 4月 23日 月曜日 〉


● 低迷するフランスの
フランス大統領選は、毎回70%以上の投票率があり、高率はおなじみ。とはいえ昨日のフランス大統領選挙の投票率が85〜87%とはオドロキの部類に入る。投票前日に役3分の1の有権者が誰に投票するか決めていなかった。統計的にはたいへん予想が難しい。すると一票がとても貴重に思えて、それに昨日のフランスはパリはじめ天気がよかったので無党派層が投票所に出かけた。そんなところ。これをもってフランス国民の政治意識が高いなんて意見ははトンチンカンです。

●人物評
さて、得票率一位のニコラ・サルコジと2位のセゴレーヌ・ロワイアルが決選投票に進出をきめ、最も無難な結果になって、悪くはないがおもしろくない。しかし泡沫とみられていたフランソワ・バイルが終盤戦でグングン伸びた。また極右のルペンが、あのお年で4位に付けたのは驚異的、わたしは大満足です。かつてはシラクとの決選投票に臨み、仰天した市民の変心でシラクが地滑り勝利をおさめた。

ルペンは政治的に葬られ、娘が跡を継ぐかたちを作ったが今回復活しました。この人は言われるほど野蛮な極右ではない。移民や失業問題の解決にはっきりした方向がある程度世間に受け入れられてきた証拠である。13人の候補者、たしか女性は4人でしたか、の中から4番につけたのはりッパだ。

シラクさんはこともあろうにド・ヴィルパンを外相から首相にして重用し失敗した。いまではド・ヴィルパンが話題になることはない。所詮は外務次官クラスで最大能力を発揮する官僚だった。彼とサルコジがライバルだったなんて信じられないが、シラクさんは選挙の土壇場になってやっとサルコジ支持を思惑から表明するまで、サルコジを疎んじた。シラクさんのほんとうのライバルは直言居士サルコジだったわけ。

●ミスティック・スマイル
江沢民はいつも作り笑いで応じた。ロワイアルはいつも微笑んでいる。実はサルコジより一つ年上で56歳。この人の育ちは微笑みどころか、家庭では阿修羅の少女期を経てしかもこの笑顔は何なのだ。八方美人的な政見演説といい、非常に屈折した策を持つ女性にちがいない。油断ならない解りにくさがある。ビジネス.金融界には要注意人物である。微笑みを絶やさないペロシ米下院議長の場合は屈折などない。優雅なお育ちがら無邪気なので軽量だ。

さて決選投票は6日に行われ、サルコジが嫌いな人、ロワイアルには虫酸が走る人がそれぞれ『ノノ.だけは大統領にしたくない』という理由で、より嫌いでない方に投票する消極的投票が決め手になるかもしれない。(了)



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