安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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犯行宣誓のヴィデオを郵送
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〈 2007年 4月 19日 木曜日 〉


●凶行の動機は国籍と無関係
米キャンパス乱射事件はショックでした。9.11のときは仕事が手につかず2.3日ボーっと放心気味でしたが、この凶行では平常通りの仕事に追われる日々でした。が、異常すぎて考えがまとまらない。いまでも解らない事だらけですが、感じた事を書き留めておく。

16日、事件発生後1時間以内に犯人はアジア系と報道された。異常に突出した事件なので、国籍など問題にならない。個人的な成長過程と異常性格が背景にあり、ただ移住した外国人であった環境が反社会的に傾いた面はあるだろう。そことを掲示板で少し次のように触れました。

チョ・スンヒ(23歳)は1992年に家族とアメリカへ移住した。すると小学低学年で来ているのですね。中学生なら同化するのに抵抗があるけれど、幼稚園や小学生ならすぐ環境にうまく溶け込んで行ける。わたしの知る周囲では例外なしにそうです。それなのにチョ君は溶け込めなかった。
成人してストーカーをやったり、最後は逆恨みの果ての凶行。教室の学生を並ばせて、狙い定めて一人に3発ぐらい撃っているところをみると、乱射といえない。射殺実行に関しては乱心ではない冷血漢である。

●アメリカ居住のかくれた願望
韓国に限らないが、祖国を脱出して外国に住みたいと希望するアジア人は日本人が思うよりはるかに多い。米批判に潜む夢の国アメリカは中東のみならずアジア・アフリカに蔓延しているのです。移住したい国のトップはアメリカである。3〜4年前だったか、韓国では若者の80%がアメリカに住みたいという世論調査がありました。チョの父は移住して洗濯やさんを開業したも移住できたのは後見人の保証があったと想像できるが、生活は決してラクではなかっただろう。

『子は親の背を見て大きくなる。』 するとチョの親は期待したように裕福になれない日々にブツクサ不平をもらすタイプだったのかな。衝動的ではなく、確信犯であったことは、2回目乱射への途上、NBCメディア宛にマニフェストを送りつけていたことで明らかになった。中東テロリストが犯行の前後に宣誓ヴィデオをアラブ系TVに送りつけるのと同じである。影響されていますな。チョは黒ずくめで2丁拳銃で構えたり、自分の頭に銃口をあてた映像とトーク、メモを封筒で送ったが、NBCに届いたのは火曜日昼で、NBCの誰宛か名前がなかったため開封てたまげたのは水曜日だった。

●長年そのシーンを夢想した果てに
ストーカー男チョは、ヴィデオで快楽主義とキリスト教を詰る。部分的に報道された支離滅裂なトーク内容をひと言でいえば周囲の社会に「堪忍袋の緒が切れた」となりますか。もちろん彼の妄想なのですが。いつもささやくように話すチョは、ヴィデオトークでも聞き取れない部分があるそうです。切れ切れに話す次の部分はラジオできいた。"I didn't have to do this. I could have left. I could have fled. But now I will no longer run," 決行の正当化でもあり、止めてほしい願いも含まれている。もっとも相談を拒否してきたのはチョ自身なのだが。

編集しているので発送する何日も前から準備していた。日本では宮崎勤やサカキバラ聖斗のように猟奇的な犯罪者は日頃から殺害シーンを夢想し、どんどん自分で自分を袋小路に追いつめる。チョはその典型である。

一方、ボニー&クライドのように、悪行に警察から追いつめられたあげく撃ち合って死ぬケーすには悲しいロマンもあり、語り継がれるのだが、ああいう古典的な犯罪は少なくなりました。(了)



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