安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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拘束英人の処遇に迷うイラン
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〈 2007年 3月 27日 火曜日 〉


●ひとまず調書、たぶん裁判に
先週、イラン警備艇にしょっぴかれたイギリス海兵隊員と乗組員たち15人はどうやら裁判にかけられそうです。いま15人はどこに拘束されているのか、どうやらテヘランの革命防衛軍による尋問を受けているらしい。箝口令が敷かれているからではなくて、実はイラン側もケンカの種にしたものか、釈放の交換条件にはなにがよいか、どう処理していいのか決めかねているようすです。

政治的なかけひきに利用できると西側メディアから唆されても、取引する件はなにかが定まらない。ウラン濃縮継続や、制裁緩和といったメガ政治問題と、一般市民と呼んでもいいくらいの無害な15人をと天秤にかけるほど、イランは狂ってはいない………とおもう。

●鉄仮面外交官ムタキ
イラク水域であったか、現場付近にいたイラクの漁師ほか、たしかに越境はしていんかったと証言しても、イラン側は強制拘束してしまった以上、徹頭徹尾イギリス警備艇が国境侵犯したと主張せざるをえない。で、ロンドンでは既に三度イラン大使を呼びつけ、またテヘランのイギリス大使は外務次官と会見し、兵士らが拘束されている場所、面会の要請、釈放の計画などを問いただしているものの返ってくる返事は『領海侵犯』、尋問中の一点張りで。その先はまだわからない。

イランの国連大使が大勢の報道陣をを集めて、記者会見をした。そのアホらしいこと。粘り強いとほうされるムタキ大使のアホラシさを記念に引用しておく:『解決には二つの道がある。ひとつは外交的話し合いによって平和的に解決する道。もう一つは衝突である』。

こういう無意味で無為で陳腐な文言をいかにも重大にしゃべる人の神経がわからない。日本人にもこの手がいて、然る日本の米大使であった人物が日本人記者団の質問にいかにもシリアスにこんな風に答えました。『どちらに進むかフ、これはィフティー・フィフティーだと、私はこう見ておるんですよ』。。わたしこのときはビックリした。どっちに転ぶか見当がつかないならあなた、率直にわからないでいいではないか。この大使も2枚腰と評された人である。

●プーチン関わらず
つい話がそれました。前のコラムで仲介できるのはロシアと書いたところ、とっくにブレアはが直々にプーチンにお願いしていたとは。そのプーチンは胡錦濤とのモスクワ会談で、中露戦略的パートナーをうたいあげ、拘束の件は冷ややかに外交的解決を望むとコメントしたにすぎない。イランへは石油を売り込めないので興味がないのか。

ブッシュはもちろん手がないのですが、かわりに武力行使を否定しないことでイギリス支援を表しているのが英米関係らしい阿吽の呼吸がうかがえる。
拉致された15人のひとりは26歳の女性Faye Turneyさん、気になります。また、イ・イ国境の川をイラク側ではShatt al-Arabアラブ水路と呼び、イランではラArvand Riveアルヴァン川と呼ぶ。月曜のロンドン石油市場は原油輸出国イランを危機とみたか、今年最高の63ドルをつける。



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