安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


-------- ----------------------------------
ノルウェーとパレスチナ
------------------------------------------
〈 2007年 3月 21日 水曜日 〉


●パレスチナ承認一番乗り
 発足の声明で、アッバスが暴力否定を訴えたのに反し、イスマイル・ハニア首相がイスラエル占領に抵抗する権利がある、つまり武力攻撃は継続すると相変わらずのスタンスを変えていない。この事と、何時も反故になるパレスイチナの取り決めにはしばらく様子を見る事がEU,米ロの常識である。

何を好んでひとりノルウェー政府ががパレスチナと外交関係を樹立したのか、解りにくいですわな。飾りなしに言えば次のような理由が根っこにあるとおもうのです。
○ 保守・革新を問わず世界平和の理想がナイーブに高い。
○ オスロ合意の復活とリレハンメル・オリンピック再招致はこの国の夢
○ 現政府はイスラエルが悪いと考える党の連立

また、理由ではありませんが、我が道を行くノルウェー
○ 現ノルウェー首相はブッシュとの面会を拒否されてる。
○ ノルウェーはEUに加盟していない。

それにしても間髪を入れず承認したウラには、新閣僚の名簿を事前早期にノルウェーが掴んでいたノル=パレの親密な関係があり、ストルテンベルグ首相とストーレ外相はこの内閣ならイケルと判断し、事前にEUと米に承認の旨通知していたのでうね。そしてこの煮ても焼いても食えないノルウェーの中東政策はとっくにEUと米の承知していますから、抗議はない。だって文句言ってももムダですからね。ストーレ外相はライスに電話で説明し了解、というよりむしろ無言のサポートを頂いたそうです。ライスのはノルウェーを先馬に利用する胸算用か。

ストーレ外相はさっそくNo.2の右腕を中東に派遣、ハニアと会談し財政支援再開を約束しました。で、つぎにイスラエル側と会談する予定でしたが、キャンセル食らいましたな。ハハハ、そりゃイスラエルが怒ります。ノルウェー側も想定済みとて慌てず『和平に向けてたいへん悲しい』とキレイごとで第1ラウンドを終了。

●新財相ファイヤードと外相アブアムル
北朝鮮、イラン、パレスチナのよう財政支援をカットされるとホントに困窮する。パレスチナは支援再開を期して財相にハマスでもファタでもない民間人を
据えなければならなかった。この新財相ファイヤード(Salam Fayyad)は国際金融に顔の売れた元世銀の要職にあった人。ラマラで在イスラエル米大使と昨日会談、この分だと次に米は民間出身の新外相と会ってもおどろかない。

承認2番手になると思われる英・仏はすでパレスチナの新財相と新外相との接触を図っている。ブッシュは、やり損じたイス=パレ和平ロードマップを任期中にメドをつけておきたいでしょう。「せいては事を仕損じる」ってことのないよう。(了)



Pnorama Box制作委員会

ひとこと言いたいなんでも・掲示板へ
筆者へのmailはこちらまで
HOMEへ戻る