●天地災害の多いインドネシア
インドネシアは災害続き、最近の西部は大雨洪水から土砂崩れが頻発しています。これ、気候変動のせい、エルニーニョがどうのとグローバル天気予報でも解説していましたが。そこへ月曜日に地震がおこった。震源地が内陸だったので2004年のようなインド洋ツナミを引きおこさなかったが、場所は南西に移動しただけでおなじ地震帯、いわゆる環太平洋地震インドネシアベルトである。
今回の震源地はパダンの北北東50キロの地点で震源の深さ30キロ、M6.3。かな〜り深いプレート境界型地震です。規模としては津波による23万人の犠牲者を出した2004年12月の『スマトラ沖地震』はM8.5くらい。最終的なMMは9.3(モメンタム・マグニチュード、動いた断層の総量から算出)でこれはチリ大地震に続く史上2番目の大地震でした。それに比べると今回はウンと小さい規模で、スマトラ沖地震をサッカーボールに喩えると、今回のはゴルフボールよりもウンと小さい。より分散されるようにして最初のグラグラががきたのが、むしろ幸いした。
わたしがニュースで聞いた死者の第一報道が30人、それから70人まで増えたいま、毎度のことだが、最終的には1000人までなるのだろうか。しかしツナミと違って波や濁流にのみこまれる災害ではなく、主に建物の崩壊による犠牲者です。震源に近いソロン県の田舎町にはビルがない。民家はベニヤにトタン葺きのような軽い住居ですから、倒壊しても助かる人は多いように思う。
パダン市街にビルはあっても高層建築はない。よって、インドネシア当局は1500〜2000人と予測しているが、多めに対策をたてるのは正しい。
USGS(米地質調査所)によると、今回の2007年の震源は1926年に連続しておこったM6.5とM6.75の地震と震央(震源の地表中心地)がほぼ同じである。このあたり、スンダ海溝(昔の名称はジャワ海溝)のプレートの動きと地震のメカニズムはUSGSのサイトに解説があります:http://earthquake.usgs.gov/eqcenter/eqinthenews/2007/us2007zpah/#summary
(了)