ヒマツブシに書くコラムは忙しくなると手がつきません。しばらくぶりです。明日からまた休みがちになります。よって落書きのように二つの話題を綴ります。
●世界同時株安
押せ押せの上海株市場の急落は大きかったですね。二桁に届く経済成長と金余りの中国ですからメルトダウンがおこれば落ちは二桁になる。で。アジア、欧州、米で軒なみ3%くらいの株安になったのですが、昨今のグローバル金融界はどうしてもパニックにならないようになってしまった。株動向の専門家が出てきて上手に解説してくれる。『急落現象は過熱調整にすぎず、明日もうすこし落ちてリバウンドする』と、意見が一致しており、まあその通りに動きました。
キッカケはいつも悪いウワサではじまる。株所得課税のウワサが上海市場に流れたとされ、米では引退グリーンスパンの米経済の悲観的発言とNYSEのシステムがランチ休みにダウンして間違った数字を出したというあほらしいおまけがつきました。
おもうに10年以上前ならもっと長引いたでであろうし、はっきり景気後退に入ったかもしれないクラックがすぐ立ち直る。金融のグローバリゼーションは世界中が影響を吸収する事で安全弁の役割りを果たしている。わるいことではない。とはいえゼニ転がしが今後もつづく中国市場ではしばしば急落し、そして数日で落ち着きを取り戻す。こういうことが常態になるとブラックマンデーは将来起こりにくい。慌てて中国市場から逃げ出す事はないですな。
●米外交の心変わりと心戻り
米朝実務者による作業部会がニューヨークで開かれ、米の敵国条項を見直し、テロ国家から北朝鮮をはずし、外交関係樹立が話し合われる。凍結口座については別の実務者協議がふたやび中国で開かれるなど、さきの6各国協議の合議に基づいて前に進み出した。
ここに金桂寛外務次官が出席するのでヒル次官補がお相手する、とここまではよい。で、このキム・ケグァンが3月1日、サンフランシスコのNGOでうちわの会合で演説するのが解せない。米は敵国政府代表の行動範囲ををマンハッタンから半径25マイルに限定していたが、ブッシュは金桂寛にシスコ訪問のご褒美をあげた。もう核廃棄の成果を見る前に垣根をどんどん低くしています。
イラクでもブッシュは基本姿勢を貫徹しないようになった。イラクのゼバリ外相が隠密に画策していたバグダッドでの近隣諸国会議に、米も出席する。シリア、イラン代表と会合するなんてのはガンとして拒否していたブッシュなのですが、どうやら半年も前からその方向でゼバリと相談していたというからブッシュも人がわるい。この会議では世銀が復興に支援するため出席する。世銀総裁はウルフォウイッツです。ラムズフェルドと一緒に国防副長官としてイラク戦略の立案者、ネオコンのウルフォウイッツですぞ。ブッシュ人脈は生きている。
チェイニー副大統領がパキスタンとアフガニスタンへ行った。何のつもり?カルザイとムシャラフが嫌いなチェイニーがです。その前に特に用事のない日本にきたのも変だな。本来はゲーツ新国防長官が行くべきところをイラクに掛かりっきりだし、ゲーツじゃ表敬訪問になってしまう。ライスが軽量ソフト路線にシフトし、ラムズフェルドがいない今、最後の硬球チェイニーの出番が増えました。(了)