●袂をわかつとき
英軍がイラクから撤退する。発表は今日、水曜日の定例下院で撤退声明を発表するだろうと言われている。現在英軍は南部のバスラを中心に7100人が駐留しているがもともと比較的治安がよいところである。最近おこなった『シンバッド治安作戦』がよかった(成果というほどでもない)という理由をきっかけにしてブレアが英軍引き上げのおおまかな日程を決定した。
ブッシュが2万人を増派して、内乱に一区切りつけるまでは撤退計画がたたない状況を盟友ブレアが見捨てる……袂をわかつときがきた。ブレアはこれまで期限を切って明言すると、武装ミリタントに利するばかりで言うべきではないと野党の要求を退けてきたが、ついに折れました。キャメロン党首のスキャンダル(学生時代に大麻使用が発覚)のおかげで撤退期限明示を伸ばすことができ、おかげであと半年の任期を全うできそうです。するとサッチャーさんより長期政権になりますな。
●ブッシュを置き去りにするブレア
もちろん、ブレアとブッシュは撤退について何度も相談し、互いにねぎらった上での同意であったことは、ホワイトハウスのスポークスマンの言葉 "While the United Kingdom is maintaining a robust force in southern Iraq, we're pleased that conditions in Basra have improved sufficiently that they are able to transition more control to the Iraqis. The United States shares the same goal of turning responsibility over to the Iraqi Security Forces and reducing the number of American troops in Iraq."にあらわれている。
しかし、米英の固い絆をたもつなら、ブレアとしては手のあいたバスラからバグダッド救援に移動させたいところなのですが、英国民が許さないですからね。『プルータスお前もか』、戦友を置き去りにしたと言いたい米保守もいるだろう。
英軍撤退は4月頃に非戦闘員の男女1500人、事態の進展によるがクリスマスまでに3000人、残った英兵は来年中に帰国するという計画。(了)