安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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金正日の石油50万トン嚇奪作戦
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〈 2007年 2月 5日 月曜日 〉


●北があげたアドバルーン
北朝鮮がヨンビョンの原子炉停止の見返りに重油50万トン以上を要求していると朝日の報道を東京発APおよびロイターが伝えている。北朝鮮は話しやすい米の議員、元役人や民間人を平壌に招待して、米政府に伝えて欲しいことを流すのはよく知られているので、これも6カ国協議の前に上げたアドバルーンだろう。でも反応なんて出ませんよ。どの国も協議以前に公式に反論するほどナイーブではありません。核放棄と引き換えにもろもろの援助であったはずがヨンビョンの原子炉を停めるだけで核計画も溜め込んだプルトニウムも手放さないではムシがよすぎる。

●朝日が選ばれた
北朝鮮に招待されたのはクリントン時代、オルブライトの下で北朝鮮を担当していた中堅官僚と、David Albrightという核兵器撤廃と国際セキュリティーを業務にする米NPO所長のふたり。平壌で歓待され、金桂寛(6カ国協議北朝鮮代表)に聞かされたハナシです。きっと帰ったら政府、メディアでもいい話してくれ、と頼まれた。北京に各国記者がまっていたとおもうが、なぜか朝日の取材に応じて明らかにしたという。日本のアサヒならよく聞いてくれるから、とでも耳打ちされたのかしらん。走狗と言っちゃ悪いな、朝日らしい特ダネでした。

●NPO組織ISIS(科学国際安全保障研究所)
核の専門家オルブライト氏を招いているのは、今後国連IAEAの核施設査察査察をどこまでを許すか、再処理や実験場など核兵器関連はダメなど、細かいところを正確に説明しておきたかったからだろう。このワシントンベースのNPOであるISIS (Institute for Science and International Security) は、やはり税金から資金提供を受けているとおもうのですが(ほかにあるか?)北の能力を高く見積もったレポートを発表しています。その方がブシュに都合が良く、北は北で見返りを高く売りつけることができる。

2008年中頃に8〜18の核弾頭を保有するにたるプルトニウムを生産すると言ったのはこのISISである。(このサテライト映像もあるレポートはどこから落としたか忘れましたが手元にPDFがあるので一報くだされば送ります。)

さて、韓国にいるヒル国務次官補は朝日が伝えたような報告は知らないという。とはいえ、北の最終要求は、ベルリンでの会合でも、北京での凍結口座協議やニューヨークで続けられた北の国連代表との話し合いでわかっている。

ベルリンではイケそうな感触をもったヒルだが、北京での財務省と北の金融当局との会談に大きな進展はなかった。北が一気に解決したいと望んでいるのに対し、米はStep by Step方式で少しづつ合意できるところから手をつけよう、ビジネスの窓をあけるところからはじめる方針に変化はない。

●威信失墜の中国このごろ
2月8日はの6各国協議再開はもうすぐ。ところが中国の評判が落ちてきた。気候変動の国際会議が連日とりあげられるせいで、北京の大気汚や水質の実態が報道され、ダヴォスでは通貨「元」のさらなる切り上げを迫られている。先週、米が中国の輸出補助金に対しWTOに上訴した。

もうひとつ、胡錦濤がいま3度目のアフリカ歴訪中ですが、中国の資源外交は西側ばかりか、住民から新コロニアル政策だと厳しい批判を受けている。中国が建設した鉱物資源の生産施設に送り込まれた大量中国人の溶け込まない生活ぶり、雇われたアフリカン労働者の劣悪な待遇、現地零細企業を駆逐する安い中国製衣料や生活用品の氾濫など、中国への印象が悪い。胡錦濤の目に触れるかどうか知らないが、アフリカの民衆が怒ると、ちょっとやそっとで収まりませんよ。(了)

なんですか、日々のできごとに気がうつり続きを書くといいながら棚上げしたテーマが重なりました。ご了承を。



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