安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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国連の温暖化報告、2100 年の地球は?
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〈 2007年 2月 3日 土曜日 〉


●温暖効果ガス削減はまったなし
パリで開かれたIPCC(気候変動に関する政府間パネル、Intergovermental Panel on Climate Change)はかなりのインパクトがありました。日本でどの程度関心がもたれるか、心許ないですが、当地では氷河の後退、北極の氷が溶け出している様子をヒシヒシと感じていますから関心が高い。地球温暖化の影響を最も受ける場所は北ヨーロッパと北部カナダですから敏感に成らざるを得ません。個人レベルではしかし言うだけでね、エネルギーのムダ使いを止めない。いづこも同じか。

当地の国会で、10年後にCO2排出を20%削減すると答えた環境大臣の発言を財務大臣が政府は未だ決めていないと覆し、環境問題がとりわけ話題になっている。一応、基準の90年からそれほど増えてはいないので決して野放しではなく、押さえ込んでいる努力は他の調印諸国より優秀なのですが、バツの悪い事に、人口割りにするとノルウェーの温室効果ガス排出はアメリカ並みという。京都議定書に調印したものの2008-2012年の約束目標は達せられそうにおもえない。開発途上国との関係がよいのでそこからクオータを買ってツジツマを合わせる腹づもりでしょうか。

今回発表されたIPCCの評価報告書は、4部からなる予定のその一冊目である。小さな活字、カラーグラフがついていて21ページあります。英文ならあちこちでダウンロードできますが、そのうち日本環境省のホームページから日本語でも読める、、、ハズとおもいたい。

●気候変動は人間活動に原因がある
さて、発表でこれまでにないインパクトは地球温暖化が『人為的可能性が大きい(very likely) 』と判断した事。これまでは疑いが濃厚でも科学的に言い切れなかった。人間活動に原因がある、ほっとけない、今生きている人間に責任がある。そのことをこの10数年のデータから,130カ国の科学者.約2500人が検討し、ようやくコンセンサスに達した。地球が生まれた頃からの気候史を専門にしている科学者は認めないが、たとえ自然現象だとしても温室効果ガスを減らすのことにマイナスはない。だいいち健康によろしい。

●報告の内容は朝日新聞で
温度上昇、海面上昇、降雨量が増える地域と旱魃の地域、暴風と洪水の規模拡大など、キーポイント解説は朝日新聞が充実しているので、以下をご覧ください。朝日には優れたジャンルもあります。ttp://www.asahi.com/international/update/0202/012.html
なお、報告書の草案執筆陣に「JAMSTEC海洋研究開発機構・地球シュミレータセンター」の松本太朗氏が加わっておられ、センターのHPにCGが参考になります。

●可能性の度合いを定義
余談ですが、IPCCが報告書に用いた可能性の定義がおもしろいので参考まで:
・virtually certain 事実上確実 - 確立99%以上
・extremely likely 非常にあり得る - 確立95%以上
・very likely たいへんあり得る - 確立90%以上
・likely おそらく- 確立60%以上
・more likely than not どちらかというとあり得る - 確立50%以上
・unlikely ありそうにない - 確立33%以下
・very unlikely とてもありそうにない - 確立10%以下
・extremely unlikely 極めてあり得ない - 確立5%以下     (了)



Pnorama Box制作委員会

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