安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ブッシュの経済演説とプーチンの恒例プレスコン
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〈 2007年 2月 2日 金曜日 〉


●NYSEで大もてのブッシュ
31日、ブッシュはニユーヨークで約束の経済方針を演説、このなかで初めて富める者と貧しい者の拡大するギャップ『収入格差』(income inequality)に言及しました。教書のコラムで格差社会という言葉が一度もでなかった、と書いた。やっとほんのちょっと経済面で認めたわけですが、社会的な対策を考えた形跡はない。次の発言はどうでしょう:『収入格差は過去25年以上も前から広がる傾向にあり、教育のあるなしが分かれ目にある』……。

ブッシュは労働組合の意見を聞かないし、側近に組合出身ははもちろんいない。エンロンに容赦しなかったように、コーポレートガバナンスやその透明性、モラルを要求する潔癖なところは見上げたものですが、基本的に金融.ビジネスに対しては自由放任が良いと思っている。演説のあとNYSEに立ち寄って大歓迎をうけた。ウォール街でもてる大統領はブッシュとレーガンが双璧ですね。

ダヴォスで開催中の経済フォーラムでは自由貿易体制の推進が、世界貿易の順調な発展をバックに大いに議論されている。そういえばあちこちでEFTA交渉が盛んである。ブッシュは自由貿易論者だから行き詰まってもう3〜4年になるドーハラウンドを成功させたい意欲をみせた。国際競争力のない産業はおおかた消滅したアメリカは、というかそう確信しているブッシュは自由競争で勝てる自信があるのだろう、ウズウズしています。

では再度、次の明快な発言:『 (自由貿易は)アメリカの経済を支援し、世界数百万の貧しい人々を押し上げる』(it can help the U.S. economy and also lift millions of people worldwide out of poverty.) ……??ほんとうでしょうか。

● プーチンのマラソン記者会見 
同じ31日、プーチンはクレムリンの円形ホールに内外の記者1232人を集め、延々3時間半、100以上の質問に答えました。これ初めから終わりまでロシアの主要なTV、ラジをがライブで伝えたいう。プーチンの施政方針演説は春ですからこの07年恒例国際記者会見(6回目)が、本年初頭の注目です。

西側が放映した数分のカットから察するに、ブッシュと比較しちゃなんですが、プーチンは強気がイタについてます。比類なきロシアのリーダー、役者だな〜。
報道では石油ガスのプーチン戦略に関してかなり詳細な新企画があきらかにり、すべてにプーチンが深く関わり完全に統率している様子に、迫力とスゴミがありました。いかんせん、西側に対抗カードがない。

記者の質問は事前に提出があったとわたしは思っているが、後継者、ポロニウムで殺されたリトヴィネンコ、モスクワのゲイパレードなどきわどい質問にも撥ね付けずに丁寧に答えています。経済成長が持続し、圧倒的な国民の支持がある大統領の余裕ですか。ガス大国一番のロシアと2番のイランは国際供給で協力体制を進めています。(続く)

ロシアのエネルギー戦略と、潤う経済についてはまたの機会に。



Pnorama Box制作委員会

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