●柳沢を護れ
柳沢厚労相の形勢が悪い。共産党を除く野党3党首から罷免要求を突きつけられ、与党からも7月の選挙対策なのだろう辞任要求があがっている。安倍政権発足には女性の投票が追い風になったが、このまま紛糾すれば7月の選挙では逆風が吹くと自分のクビが心配なのでしょう。こういう時こそ首相にはガンとして踏ん張ってもらいたい、指導力の見せ場です。
柳沢でもりあがったためかすんでしまい、安全地帯に退避した久間防衛相だが、罷免するべきはこっちの方だ。
●防衛省大臣失格
イラク戦争について『核兵器がさもあるかのような状況でブッシュ米大統領は踏み切ったのだろうが、その判断が間違っていたと思う』、戦後処理について『後をどうやってうまく処理するか、処方せんがないままだった』
と、これはいまじゃ常識、小泉はもちろんブッシュさえ認めている後知恵の見解です。しかし防衛大臣が公の席、記者クラブなんかで言うのは非常識。政府の公式見解を勝手に書き換えるのですから。もっとイケナイのは日米安保条約のもとにある防衛省の大臣が同盟関係ををないがしろにするような発言を平気でする国際感覚の欠如である。まちのおじさん並みだ。
●日米同盟にヒビ
しかもこの発言はブッシュ一般教書演説直後でしょ。中韓の国防相さえ、イラク戦争反対のフランス、スペインの国防相だって公には口にしないのに、なんで日本の格上げされた防衛省大臣がよりによって記者クラブなんかでしゃべったのでしょう。日米同盟にヒビを入れたいなら閣僚としてでなくやってください。この発言はAPがアフマディネジャフの発言にくっつけて紹介している。ま、アメリカの感覚からは許せないだろう。
まだある。『イラク開戦時に疑っていた』というなら、なぜそのときに言わなかったか。そのときに自説を主張しておけば、防衛庁長官に任命されず、エンがなかった。また普天間基地への滑走路移転は日米が合意した案である。地元知事の許可を説得するのは日本側の義務であり、地元に阿ねて米にグダグダ久間大臣が言い訳したって聞いてもらえません。
●安倍首相の言い逃れ
安倍首相は『久間氏個人の感想、閣内不一致には当たらない』と、これまた相変わらず面妖な言い回し。何人もの閣僚が個人的と断って逆の政府見解をしゃべりだしたらどうしますか。いま防衛相を解任すれば、安倍もやるな、と見直されりのですがね。中国が一目おくおまけもあるというのに……。(了)