安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


-------- ----------------------------------
State of the Union 2007
------------------------------------------
〈 2007年 1月 25日 木曜日 〉


●ブッシュ一般教書を聞く
ブッシュ年頭教書演説をライブでフォロウするのが慣わしになっている。火曜の夜は紙とボールペンを手に惰性で聞きました。夜中2時すぎまで一杯やりながら待っていたので、途中15分ほど寝ちゃいました。

イラク2100人の増派が人気ないでしょ。私も大反対。全員反対の民主党が多数になった議会で、共和党内にも反乱議員がいる。支持率といえばニクソンさんがウォーターゲート事件の真最中におこなった年頭教書とおなじ最悪の状況でどうなることやらと、ちょっぴり心配していましたが、民主党不支持でイラク増派に反対のわたしとしては所詮おもしろくない。

興味はブッシュがどう切り抜けるかでした。それがスイスイと、なんだよ、卑怯じゃないか、その言い回しはないよブッシュさん!残ったわがシラフの頭は『ウム。さすが危機管理に優れた能力があるわ』なんて感心する。もう支離滅裂なのです。

●衝突を避け、反撥のタイミングを外すブッシュ流
しょっぱな、『ルーズベルトとトルーマンがこの壇上で演説するのを聴いたナンシーの父さん下院議員が、ひとり娘の晴れ舞台をみたら……』なんて、Madam Speaker-ナンシー・ペロシをお世辞で嬉しがらせてコロリと攻略。ビックリしたな。ペロシは率先してスタンディング・オベーションするわ。移民受や教育では民主党の方が拍手が多かった。

ブッシュが50分の演説を終わってMadamS peakerと握手すると、ナンシーは体を乗り出して両手でブッシュの手を握るではないか。驚ろくわたしがおかしいのか、そりゃこういう議会ではあからさまな反抗的態度はとらない。恒例の儀式でもあり、議論する場所ではない。議場の雰囲気ではブッシュの支持率が70%にもなる印象をうけるが、演説後の世論調査は演説前より1%減って27%でした。一時的に伸びるいつもより悪い結果だ。

民主党はほぼ全員がイラク戦反対決議に署名しているではないか。法的拘束力のない意見書みたいなものだが、今回の民主党からブーイングが全然聞こえない。去年はギリギリ再選だったのでブッシュも言葉を選んだが、05年の演説では民主党側席からブーイングがなんどもあった。イラクに未来があったころだがそれでもブーイングあったのに、いまはシブイ顔をするくらい。ヒラリーさんが時に首を振る。

もちろん巧妙に衝突を避けるようなブッシュの話のもって行き方に1日の長があったかもしれない。しかしである。現在のイラク宗教派抗争をさして "This is not the fight we entered in Iraq, but it is the fight we are in. "(我々がはじめた戦いではないが、その戦いに我々はいる)というのはどうだろう、実際そうだろうが、免責はない。したがってそのあとにつづく『約束を破り、友を見過ごしにし、我々自身の安全を危険にさらすことはできない』との言葉のウラには『米国の安全第一』、イラクへの約束や友情はレトリックにすぎない。

●コンディとペロシの明暗をわけた表情
演説が終わったブッシュが後ろのチェイニーとペロシにお決まりの握手を求める。下院議長ペロシさまは体を乗り出してブッシュの手を両手で包みました.どうなってんの? それにつけ、時々写った人前を意識しないときのコンディ・ライスのこわい顔。一番高い正面の壇に座ったペロシがにこやかに振る舞うのと対極である。とりとめない作文にて失礼。(了)

次回は演説の内政パート批判を展開します。



Pnorama Box制作委員会

ひとこと言いたいなんでも・掲示板へ
筆者へのmailはこちらまで
HOMEへ戻る