安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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独裁者ワースト5(その2)
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〈 2007年 1月 11日 木曜日 〉


● 4番・胡錦で書き漏らしたこと
ワレチンスキーーによれば、独裁で経済成長を遂げる中国は世界の独裁者がフォローするするモデルになっている。ではなぜ米はそのような中国の独裁者を友人として処するのか、いったい米の政策はどこにあるのかとロスの問いに、私はやすやすと大いに(番組に会わせて)非難するが、どんな敵とも対話は必要。もし私が大統領なら決して対話の道を閉ざさない。どの国のどの独裁者ともパイプは開けておくべき、と奥がふかいのです。私感:優雅なリアリスト、麻生外相に一脈通じるコクを感じました。

 #3 サイード・アリ・ハメネイ、イラン (18-9)
ワーストランクに急上昇したのが、核問題に強硬姿勢をくずさないイランの最高指導者ハメネイ師。西側批判の急先鋒であるアフマディネジャフ大統領が、でイスラエルを地上から抹消、ホローコウストはなかった、反米発言など世間の耳目を集めるが、人々は大統領に実際の権力が殆どないない事実を充分認識していないようにおもう。たとえばアフマディネジャフは軍の統率権も核計画の権限もない。閣議を通過し大統領が署名した法律は、国の最高機関である12人の宗教者評議会で承認されなければならない。ハメネイ師は政府決定を審議し、拒否権を持つこの宗教者評議会の議長、即ち最高指導者としてイランを背後で思いのまま操る独裁者でありながら、メディアの注意を大統領を隠れ蓑に利用している。大学の自由な思想・歴史・文学講義は反体制とみなされ閉鎖。ホモとわかれば処刑される。
私感:とはいえ、昨年末の選挙ではアフマディネジャフの強硬派が大幅に議席を失い、穏健派(といってもナショナリスト)のラフサンジャニが票を伸ばした。米の制裁がジワジワ効いてきたところへ国連制裁決議の追い打ちで、国民が不安になっている。イランとサウジの宗教政治はソフトランディングが難しいだろう。

 #2 金正日、北朝鮮 (2-2)
3年連続最悪2番を維持、興味のある人物。安定した独裁者は世界で最も隔離された国家だからありえるのだろう。昨年の国際世論を無視した核実験もあるが、それよりわたしが金正日に関心をもつのは、独裁者としても稀なほど国民を完全に牛耳っているその絶対権力にある。共産党国家として国家主席を世襲した史上唯一の国。発育不全、栄養失調が蔓延し、韓国の7歳児童と比較すると身長が平均20センチ短く体重が9キロ軽い。正日の外形容貌からジョークにみえるが、なかなかどうして狡猾だ。世界情勢をよくフォロー把握して行動を起こす。私感;ポーカーで手の内を見せずに、こちらのカードを知っている相手は、そりゃ狡いや。最悪の独裁者であるが、やはりガキ大将。国民への情報を遮断しているからガキ大将が、いやガキ大将だからこそ最悪の独裁者になりえた。

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いよいよワースト#1、ワレチンスキー氏がランク付け を始めた3年前からトップを占めている史上類のない大量虐殺の責任者、スーダンのオマル・バシル大統領です。事件はバシルがクーデターで実権を奪った18年前からのはなし。長くなるかと想うので次回にまわします。(続く)



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