安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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北朝鮮、再核実験か協議復帰か
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〈 2007年 1月 6日 土曜日 〉


●核クラブ入り不定の悔しさ
初の核実験は10月上旬、頃合いからすると2発めの実権は3ヶ月過ぎた今頃が準備完了。そんなところから再核実験の兆候があっても不思議はないが、打ち消す報道が多くなってきた。

北朝鮮が再実験にかられる実際的な理由は、前回が失敗だったので技術達成がある。前回の爆発規模は信頼できるUSGS(米地質調査所)が最大TNT5キロトン、東大地震研はもっと小さく算定している。その後米軍による空中サンプルから放射能が検出されたのでホンモノと認知されたものの、この分析からは1キロトン未満と判定された。

イラクのカーボンブはメガ級でも数十トン、1キロトンなら超弩級だが核爆発ならミニ以下。これでもって核保有国といえるか。厚かましい、協議6カ国のうち米はそう思っているだろう。大きな顔されては話し合いに不利だからという政治的理由だけではない。

北朝鮮が晴れて核クラブ国入り果たすために、再実験は絶対必要である。せめて15キロトンくらいの規模がほしいが、失敗を克服して達成できる技術があるだろうか、実情はやりたくても実施能力がない。

再実験した場合の制裁はやはり効果がある。中国とのビジネス、韓国からの投資と観光客は国連制裁後も増え続け、朝韓貿易は昨年50%増の$1billion を超えた。日本は貿易が激減するほど制裁措置を講じたのにです。日本の中韓両国への好感度がよくならないのはあたりまえだ。

●次回の協議復帰は確実
中国と韓国の政府支援は減少したが、民間交流は相変わらず以上に活発におこなわれている。それでも米がマカオの北朝鮮口座を凍結しただけで、相当な効き目があり、あったから協議では金融制裁解除ひとすじにまくしたてて帰るしかなかった。しかも北の代表には交渉の権限がないのだから互いにすりあわせるような複雑な交渉は北京じゃダメ、金正日がいる平壌でなぜやらないのか。だらだら合意できなくても米は困らないが、日本は困ります。

協議復帰については、ヒルズ次官補から核廃棄が先か口座凍結解除が先かをでなく、どちらからも段階的に進めるプロセスの提案。こういう擦り合わせは次期外相と目されるカンソクジュでも出来ない。持ち帰った米案を金正日と補佐役が対案を練っているとおもわれる。正日の誕生祝賀行事を辞めてがんばって、そしてとんでもない対案を携えて必ず協議に復帰します。北はあと2年足らずのブッシュとは対話しないという見方もあるが、わたしはそう思わない。人権に厳しいペローシさんが力をつけるまえ、ブッシュ政権のうちに決着をつけたいはずだ。数ヶ月のうちに北京で6者会談がはじまり、またも決裂でしょうか。米はちっとも困らないが……(了)



Pnorama Box制作委員会

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