安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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『イラク勉強会』に失望したブッシュ
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〈 2006年 11月 15日 水曜日 〉


●オルメトのブッシュ賛辞は結構ですが、逆効果
ブッシュ援護はオルメトがブッシュとホワイトハウスの暖炉の前で、賛辞を述べた。でも、あなたがそれを言っちゃ逆効果なんですがね。同じ日、ブレアがイラク混迷はイスラエルとパレスチナの関係改善が核、イラクの解決には近隣諸国の参画が必要と、『包括的イスラム政策』なる新構想を演説。久々に攻めのブレアが見られた。

●ブレアの言葉にはトゲがある
これはブッシュを非難しているではないがトゲがある。イラクにかまける米はイス・パレ問題をなるがままにしておいたのでブレアの言は耳が痛い。イラク解決に近隣諸国の協力がいる、つまりイランとシリアが対話に加わる提案だ。そりゃできん!ブッシュさんだろう。

イラク宗派闘争はシーアにイランが、スンニにシリアから武器や資金が流れている。この近隣諸国と涙をのんでブッシュが協力できるか。そりゃできん!条件反射はそうなのだ。

●チェイニー、ゲイツ、ブッシュたちとベーカーとの関係
この面々、パパブッシュ時代からの長い付き合いだがベーカーさんとはシックリしない距離の或る関係。ベーカーとハミルトンが座長の『イラク勉強会』(直訳して『イラク研究グループ』と邦字メディアは統一)がある。両党から5人ずつバイパルチザンの役柄は諮問委員会。発足以来1年ですから、年末に提出される政策提案の内容はホワイトハウスに聞こえている。

ジェームス・ベーカー3世はパパブッシュの国務長官、新国防長官のボブ・ゲイツもパパブッシュに仕えた実務官僚で、この勉強会のメンバーだった。しかもグループ発足の人集めをしたのがホワイトハウスを束ねるスタッフチーフのジョシュア・ボルテン。ときたら内容はブッシュが知らないはずはない。撤退のタイムテーブルが盛り込まれるか否かが焦点。

その中身にイラン・シリアとも協力して……がある。ブレアはそれを先取りしたのだ。ベーカーの勉強会はブッシュ陣営との会談に続いて、ブレアとTV会談を和やかにおえた。ブレアファンの私としては、演説で『みなさん大きな口を叩いてもUS抜きに何が出来る?』との意味を述べたことを付け加えておきます。

ベーカーさんはどんなに敵対する相手でも対話を試みては失敗してきた経歴があり、クエート戦争のときはバグダッドまで追っかけてサッダム政権打倒を進言したコリン・パウエル司令官(当時)とチェイニー国防長官(当時)を退け、パパブッシュに退却を決断させた人。撤退の方策に知恵が欲しいブッシュだが、ライス長官にすればベーカー何するもぞ。ボルトン国連大使にいたってはハナにも引っ掛けない。ま、だからラミーの次に首がとびそうなのですが。(続く)



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