安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ラムズフェルドに表敬
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〈 2006年 11月 9日 木曜日 〉


●イラク批判の餌食にされたラムズフェルド
ラムズフェルドが辞めた。今宵は仕事をやめて今宵はシンミリしております。
民主党に下院をとられ、上院まで過半数を割り、知事も一段と減ってしまった。そのいちばん呵責な攻撃に晒されたのがラムズフェルドへの個人攻撃。イラク戦争がブッシュ共和党敗退の最大要因ではあるが、じゃどうするかというと、民主党に統一見解はない。「すぐ米兵を帰還せよ」から「兵力増大して早く撤退できるように」までマチマチです。Change the Course といったってどうチェンジするのか、だれにもグランドデザインはない。だもんでChange the Defense Secretaryで一致、束になって責めまくられた。

イラク戦争で選挙に負けたのだから、国防長官が辞任するのは常識だ。異論はない。ブッシュは数週間前まで選挙後もラムズフェルドが続投するとStay the Courseを強調したが、これは選挙までのつなぎです。負けたら更迭するなんて言えないですから。「泣いて馬謖を斬る」心構えはあっただろう。しかし発表は上院1議席の行くへが予断をゆるさず、議席数を同数でわけあうかもというときだったから、虚を突かれたました。おそらく勝利の歓喜に沸く民主党支持者にも、長官辞任をこれで良かったと思いながら、シンミリしている者が多々いるだろう。

●批判を肥やしにするタフな精神
ラムズフェルド国防長官は、政権2期めに辞意を告げたがブッシュが引き止めた。米国史上はじめて通算6年間国防長官の任にあった。しかも戦争に明け暮れた6年を率いてきたタフガイである。辞任決定の挨拶でチャーチルの言葉を引用し
"I have benefited greatly from criticism, and at no time have I suffered a lack thereof."と、『批判を肥やしにしてきた』精神的なタフガイである。そしてこの人の稀に見る美点は記者の質問に熱心に答え、答えようと努力する態度にある。知らない事はブッキラボウに知らない、取りつくしまもないが、伝えたい事は言葉を探りながら語る。正直爺さんが一所懸命に説明したり反論するようでわたしは好きだった。

●含蓄あるラムズ節
レトリックに長けるブレアの答えは、ときに煙幕や逃げが感じられる。ブッシュはあけすけでシッポを掴まれやすい。ライス国務長官は戦略的外交語の込み入った構成がうまいが聞いていて解りにくい。ラムズフェルド節は流麗ではないが、実に含蓄が有るのです。以下はブッシュ、新任のボブ・ゲイツと一緒に声明にあらわれたときの挨拶から抜粋。
The great respect that I have for your leadership, Mr. President, in this little-understood, unfamiliar war, the first war of the 21st century -- it is not well-known, it was not well-understood; it is complex for people to comprehend.
どうです、含蓄ありますな。朧気(おぼろげ)を必死に掴もうとする風情。(People を meと言い換えてみよ、なんて茶化してはいけません。)

I must say that it's been the highest honor of my life to serve with the talented men and women of the Department of Defense, the amazing men and women, young men and women in uniform. It's a privilege. And their patriotism, their professionalism, their dedication is truly an inspiration.
ラムズフェルドは愛国者、Patriotismこそは6年間の休暇なしハードシップに耐えたエネルギーの源泉である。ケリー議員の「米兵はおバカさん」発言と比べてみよ!(了)



Pnorama Box制作委員会

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