安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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動き出した対北制裁決議
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〈 2006年 10月 18日 水曜日 〉


●制裁決議は空条文ではなかった
北朝鮮への制裁決議が履行されるのか、中露韓の様子からは本腰を入れないように見受けられたが、風向きが変わった。決議採択後中国は北銀行口座を一つか二つか、数は解りませんが凍結し、送金停止したうえさらに石油・米の支援棚上げも示唆している。これはリンゲルの栓を締めるゼスチャーです。

どういう風の吹き回しだろう。決議前には唐家センを米とロシアに派遣して外交優先を訴え、ロシアでは合意声明をだしていた。決議後いちはやくロシア特使が平壌に飛んで事後策を話し合っていたのだが……

●新しい中国の矛先になった金正日体制
胡錦濤とその指導部は、言う事を聞かない隣国のひとつに対して、いつも非難の矛先を手元に持っていた。内部に於いては、指導部結束のための便利な道具に利用されてきた。常には台湾が矛先NO1で、この数年は小泉靖国に矛先をちゃった。その間、中国は台湾を徹底的に敵視する事はなかった。さていま小泉引退で相手を見失った中国トップは、北朝鮮に向かって怒りが一度に爆発したかにみえる。「

思い知らせてやる」なんて発言をよく聞くようになった。かねがね親切にしてやった北朝鮮のわがままにメンツを潰されたおもいがある。またわがままを許してきた江沢民一派は寝返りと追放でカタナシになった事情も、胡錦濤がニックキ奴は金正日にあり、安倍晋三は大事な相棒になりおうせたのでした。

●対北タカ派でリードする日本
それだからでしょう、日本が次々打ち出す制裁措置に中国がやり過ぎとも言いませんな。あの王毅駐日大使はこのごろニュースに出なくなりました。日本は米がやる臨検に後方支援のほか、オブザーバーみたいにくっついていくという。

また、国連決議に準じて車、高級酒、タバコなどの贅沢品を輸出禁止にする付き合いの良さ。この贅沢品については決議ドラフトの項目でいちばん短い2語だけ、(iii) luxury goods; とあり、前回のコラムで笑ったのでした。日本は実に律儀ですな。やはりわずかでも海と隔たった日本は、陸続きの韓国や中国より大胆になれます。

●褐色に変わったライス長官
さて、ヒル国務次官補に続いて、ライス国務長官が日韓中に決議案の履行をダメ押しにやってきた。出発前の長い記者会見で、サインしたからにはちゃんと履行してもらわなきゃ……みたいなことを強調。中国と韓国に要請するのが主目的である。このライブずっと見ていたのですが、この人の言い回しはブッシュより高級で、チト解りづらい。で、ライスさん近頃とみに色が薄くなったな、補佐官に就任した頃は真っ黒な顔だったのになあ、なんておもいながら恋をしているウワサのお顔を観察しておりました。

余談:国連決議は北朝鮮国民に知らされたいない。労働党61周年夜の式典はトーチを持ったマスゲームでした。とにかくいつも停電しているように真っ暗な平壌ですから灯りの効果はある。あれは石油をしみ込ませたワタでしょ? そんな無駄遣いしていいのかな。(了)



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