安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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暗殺されたマルサの男コズロフ
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〈 Fri, 15 Sep 2006 〉


● 41才、はえぬきの銀行調査マン
ロシアのコズロフ中央銀行副総裁が13日夜、二人のガンマンに銃撃され、お抱え運転手は即死、副総裁は病院に運ばれたが意識が戻らないまま翌朝亡くなった。

中央銀行副総裁というと、退職前の年配者をおもいうかべるが、アンドレイ・コズロフは41才の若さだった。何故こんなに若くて、プーチンとコネでもあったのかと調べたら、そうではなくて、ソ連時代の国立銀行に就職し、崩壊後のロシアで中央銀行に横滑り、途中エアロフロートなどに出向しているが生え抜きの銀行官僚である。

仕事の役どころは民間銀行の調査、監査、いわば金融界のGメンリーダーをしていた。汚職天国のロシアで、金融界の不正を摘発することが可能なのか、プーチン大統領は高級官僚の不正には見て見ぬ振りをしている。しかし例外はあって、脱税でロシア最大の石油企業であったユコス社を潰したのは、大半の石油利益を民間にとられないためであり、コズロフを任命して民間銀行を摘発したのも同じ理由があるからでした。

●石油輸出代金のローンダリング
というのは海外へ売った石油柄身の貿易代金をマネーロンダリングをしたり、粉飾決算、脱税でどこかへ消えてゆく。いくら石油・ガスを世界へ売ってもキチンと国庫に入金できなければ、ロシア政府の商売はあがったりです。

ロシアには中小銀行が4000くらいあったそうで、いまでも1200くらいあるという。サラキンも質屋の金融も銀行の看板をあげ、泡沫銀行がありすぎるほどあって、預金を集めおいて破産する事件が相次いだ。200万人のロシア人が貯金を失った。このとき、10年くらい前ですが、ロシアの金融危機といわれたものだ。その頃はまだ石油生産が本格的に始動していなかったので、政府はなまぬるい態度でやり過ごした。

泡沫銀行は2000年代になって石油輸出にまつわるお金の流れに関わるようになり、コズロフはプーチンとチュバイス・エネルギー資源相の意をうけて、2002年から不整経理、脱税銀行の監査に携わり、今年はすでに44銀行の免銀行許を剥奪、閉鎖している。恨まれていたわけだ。

どうでもいいことですが、コズロフの乗っていた公用車は黒塗りのベンツでした。ガンマンは請負の殺し屋といわれる。(了)



Pnorama Box制作委員会

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