安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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9.11米の特番から
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〈 Tue, 12 Sep 2006 〉


● 9.11は一つのアメリカを実感するとき
アメリカは9.115年目の記念日で先週から特番が花盛り、アメリカ人でない者には食傷気味である。けれども9.11を振り返るこの日はアメリカ人が互いにとても優しく、心を一つにしてアメリカを確かめ合う日である。あの日から5年、同じような米へのテロ攻撃さえなかったものの、テロの温床・中東ではロクな成果がない。アフガニスタン、イラクでの勝ち目のない戦い、イランの核、パレスチナ、レバノンなど、この5年間で問題は大きくなるばかりである。

ブッシュ政権は、ライス、チェイニー、ラムズフェルドみなさんまだだやる気充分だが、考えが古くさい。イスラム・ミリタントを第一次世界大戦後のファッシズム台頭に喩える大歴史観を語る。それって、いまの兵隊さんには通じない非現実的。アルカイダはファッシズムではないわな。

しかし、そういう政策論議より、9.11は人々が肩を寄せ合い、一つのアメリカを感じる、貴重な時として、かけがえのない一日である。後5年同じようなテロ、またはチニーが言うような核テロがおこらなければ、10周年も盛大にそしてしめやかに行われるだろう。

● CNNドキュメント『ビンラデンの足跡を辿る』
ビンラデンの足跡 を追ったモIn the footsteps of Bin ladenモが出色のできばえ、見応えがありました。これはCNNが数週間前からうるさいほどスポット宣伝していたドキュメンタリーで、制作はクリスチアネ・アマンプール。この記者さんは聞き出し上手で出しゃばりでないのが良い。
http://www.cnn.com/CNN/Programs/presents/bin.laden/ 

生い立ちから、オサマを知るあらゆる人。インタビューした10数人の記者の証言など、一連の足跡をたどると、9.11-2001が不可避だった事がありありと見えてくる。後知恵なのですが、米はアルカイダを真剣に脅威と考えていなかった。国連ビル地下駐車場の爆破がありながら、徹底的に追及していない。今から思えば強敵マスード将軍暗殺はツインタワーへのプレリュードだったわけ。

●ABCエンターテイメント『9.11への道』
abcCTVでは9.11への道モThe Path to 9/11モという2部のミニシリーズを作った。これによるとクリントン大統領がルウィンスキー嬢とのスキャンダルで仕事ができず、ビンラデンを取り逃がしたとかいう筋書き。クリントンが長文の手紙で抗議したが、エンターテインメント(デイズニーが制作)だからという理由で一回目が放映された。共和党が喜び、民主党が怒る。オルブライトさんもカンカン。ところが元CIA長官のテネットが情報の正確さは50-50だと言っております。

あのとき9.11の前、ビンラデンをミサイルで攻撃していたら……。ウサマの消息はこの2年間、杳として行くへ知れず。(了)



Pnorama Box制作委員会

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