安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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アルゼンチンとイングランドの因縁
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〈 Tue, 27 Jun 2006 〉


● フォークランドは誰のもの
アルゼンチンとイングランドがサカーW杯ベスト8に進出した。フォークランドが後を引くこの2チームが対戦すると感情的になり、特にアルゼンチンが今年は例年よりハッスルする。というのはアルゼンチンが今年は強硬にフォークランド領土奪還を言い出し、来年の大統領選挙で2選を目指すキルヒナー大統領が再選の公約にこのフォークランド諸島(アルゼンチン他、かなりの国々ではマルヴィナス諸島とよぶ)の領有権をうたっている。

フォークランド紛争はイギリス直轄であった島にアルゼンチン軍が上陸作戦を展開、エグゾゼを発射してケンカを売ってきたのに対し、サーッチャー首相が敢然と応戦して始まった。空・海・地上軍を動員して原子力潜水艦からミサイルを撃ち出すことまでやった。この戦争は互いの本土を聖域としたが、対称型戦争として最後のものだった。アルゼンチン軍政は持てる限りの軍を投入して敗北した。あれから24年、当時の軍事政権が国民の不満を逸らすために無謀なフォークランド侵攻をしでかして3ヶ月の激戦の末、敗北したのであるが、あの敗戦による戦後の取り決めは現在の民主的アルゼンチンに鑑みて、見直していいのではないか……というのがネストール・キルチネル大統領の主張である。

●つめたいブレアの反応
交渉の要請を、しかしブレアは一顧だにせず、キルチネルの願いをジャケンにしてきた。『フォークランド住民はイギリス帰属を望んでいる』としていかなる話し合いにも応じる素振りをみせていない。しかし、今の住民はイギリスが移住させた人たちが多い。何より問題は交通や漁業がアルゼンチン本土との通商なしには成り立たない現実的な関係がある。実際、アルゼンチンは時々航空便を中止して講義する。そして周辺の海底石油資源である。取り決めではマルヴナス諸島にはアルゼンチンが漁業施設や交通網、石油開発施設を作ってはならないことになっている。アルゼンチンのトロール船は漁業権を買って操業するしなければならない。

来年はフォークランド紛争25周年とあって、イギリスでは盛大に祝う計画が有る。セニョール・キルチネスはじめアルゼンチンはイギリスにいまカッと血が上っているところなのです。(了)



Pnorama Box制作委員会

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