●中国銀行のデビュー
中国No2の中国銀行が香港で新規公開の日、6月1日がやってきた。すごい熱気ですね。10日くらいまえに出資申し込みがはじまったとき、中国銀行香港オフィスに数千人の行列ができて、猫も杓子もという光景でした。100万人が買うだろうと言われています。そして初日の木曜日に株価は14%上昇。昨年公開された中国建設銀行株はいま低迷しているが、それでも40%の中止まりである。買う人は確実に利益が出るのに買わないのはバカだという。
シンガポールに業務を移した村上ファンドは買ったのでしょうか。東京では捜査の手が入ったそうで……。
中国の国有銀行に投資するリスクについては、膨大な不良債権、行員(公務員)の横領、経理の不透明、不正資金プール、コーポレートガバナンスが無い、など専門家の意見があり、昨年摘発された行員の横領は1億5千万ドルという。株をしたことがないわたしは、関係ないのに額面通りに受け取って手を出さない方がよい、すぐ売って小額を稼ぐならべつだが、とおもう。
●出資する国際金融機関
しかし公開前、事前の国際金融組織が出資するマイノリティー・ステークに、国際大手がゴッソリ関わっているではないか。ゴールドマンサックス、アメックス、メリル・リンチ、シティーグループ、イギリスからはHSBC、ロイヤル・スコットランド銀行、スイスのUBS、シンガポールのテマセク、日本からは三菱東京UFJが、黒田氏の率いるアジア開発銀行も1%出資している。
米財務長官スノウの後任になったポールソンはゴールドマン・サックスの会長でした。あるいは兼務するのかしら? 財務長官就任前のGS会長が中国銀行に多額の出資していたことになる。他にもGSは中国が来年上場を予定している中国最大の銀行である中国商工銀行ステークに数社を連合して10%取得するらしい。ポールソンは中国通で、ブッシュから元の切り上げを頼まれている。出資額は新元にスライドして切り上がるので、GSとしては構わないということか。東京市場ではアナリストの警告などどこ吹く風、中国銀行に出資したUJF株が上がった。
とやかく批判はあっても毎年10%の成長を持続する中国である。。国家としては、いずれ米を抜いて世界一の経済大国になる。そうなるために、中国首脳は銀行業務に公的管理をゆるめないだろう。中国の銀行が抱える不良債権を公表の7倍に分析したErnst & young社は中国の圧力に屈して、中国政府発表の額が正しいと詫び声明を出さねばならなかった。中国銀行はなんといっても国営である。株で儲かったからといって何時でも売却できるか、楽観はゆるされない。(了)