安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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インドネシア多難
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〈 2006年 5月 28日 日曜日 〉


↓ ジャワ地震をグーグルアース/USGSの映像に文字を入れておきました。噴火のかすかな煙が見える

●地震速報のありかた一言
昨年のツナミの時も第一報は数十人、今回のジャワ島地震も速報第一報の横文字がニュース画面に流れた数は15人だった。そのとき既にマグニチュード6.3。震源の深さ35キロと発表があり、浅い直下型であることはわかっていた。ならば一挙に「千人台になるとおもわれる」くらいのシグナルをニュース編集部が判断してもよい。2日経って死者は3000人を越えた。一刻もあらそう救援活動のためにどのくらいの被害状況が見込まれるか、速報で伝えるのがニュースの使命です。上がってくる死亡者の数を256人とか、くだらんことに正確を期してなんの意味があるか。

それが出来ないのは、地震やさんは地表の震度がどれくらいになるか見当はついても当該地域に人口密集地があるか、地理的な人口分布がわかっていないので人的被害についてはわからない。人里遠く離れた場所でおこるM6クラスの地震なら目に見える被害はなく、また殆どがそういう地震なので、外国の地震屋さんに被害状況予想を出せというのはお門違い。ここは現地の市役所で咄嗟の判断ができるような体制をとっておくべきでしょう。地盤の状況、家屋の強度、人間と建物の密集などを把握している自治体なら、できて当然だとおもう。

●門前の小僧でも
わたしは門前の小僧くらいの知識ですが、ジャワの地盤が土砂で覆われ、島のインド洋側でおこるプレート型の地震は浅発性である……くらいのところまでは知っていて、それだけでも被害の大きさは千人台と見当がついた。。なにも自慢しているのではない。インドネシアは世界で4番目だかの人口大国である。海岸部はどこへ行っても住居があるゆえ、それに朝の6時前なら潰れた家屋の下敷きになった者が多いはず、相当な犠牲者が出るくらいイマジンできる。あの北海道くらいのジャワ島に1億5000万人が住んでいるのです。ビックリしたか。

島の北側になるとオーストラリア・インドプレートの潜り込みが深くなるので被害はあまり出ない。その意味でジャカルタに震度の強い地震が襲う確立は低いといえる。

それにしてもインドネシアはついてませんな。災難続きである。この地震がムラピ火山のさらなる噴火を誘発するか、足もとが揺れ火山灰が降り注ぐ……上下から攻められてはたまったものではない。ジョクジャカルタ(現地ではヨクヤカルタ)の町は日本でいえば京都・奈良にあたる古い都である。時代もそうかわらない。仏教遺跡に加えてヒンズーの寺院が観光の目玉になっているが、観光客減少はつらい。復興に目が向くのでチモール紛争解決は手薄になるだろう。ツナミ被害は世界から支援の猛攻があったにもかかわらず、民間個人レベルの再興はまあまあ進んだが、学校ほか公共施設の復興が遅れている。インドネシアよ、資源を大切にして中国、インドに取り残されないようしっかりネ。(了)



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