安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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米諜報組織の再編成
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〈 Mon, 08 May 2006 〉


● 新CIA長官はNSAの副官
突然に辞任したように見えたポーター・ゴスCIA長官の後任が決まった。月曜にもブッシュが紹介し発表するそのアトガマはマイケル・ヘイデン空軍司令官という人。ヘイデンはNSA(国家安全保障局)でボスであるネグロポンテの副官の立場にあった。

これで9.11以来、諜報の頼りなさを非難されて長く続いたCIA(中央情報局)内部のゴタゴタがおさまったかにみえる。とにかく表面上はネグロポンテの勝ち、毎朝の大統領ブリーフィングはネグロポンテNSA長官が従来通りおこない、CIA長官は大統領直属の機関であるのに、お呼びがかからなければ出られない。そういう雲行きである。

それがいいかどうか、わたしらの知ったことではないが、一本化されていない米のスパイ組織が互いにいがみ合うよりいいだろう。おもいおこせばテネット長官が誇大化し複雑になりすぎたCIA改革の緒に就いた所で9.11のため詰め腹を切らされ退任した。そのあと暫定長官をおいてすぐにポーター・ゴスが期待を背負って就任したが、とたんに幹部数人が束になってやめてしまった。何に抗議して止めたのか、いまとなってはおぼえていないが、ゴスの部下なら止める方がまし、そんなところじゃなかったか。

加えて新設のNSAが情報組織を統括することに法制化され、NSA長官は国家情報長官という肩書きで、情報機関の人事と予算を牛耳っている。この権限はテネットの頃までCIA長官が持っていたのであるが、9.11はCIAをブッ壊した。

●ラムズフェルドとネグロポンテの競合
さて、表面的にはネグロポンテが勝ってCIAほか15のスパイ組織を指揮下においたが、米が使う情報活動予算の80パーセントはペンタゴンにある。国防総省に属するスパイ活動が圧倒的であり、誰がなんと言おうが米スパイ組織の頂点に陣取っているのはラムズフェルドということになる。

で、第二回戦はラムズフェルドとネグロポンテの闘いになります。いがみ合うような二人ではないが、いずれ争う環境がくるはずだ。そしてこの二人はたいへん粘り強い。ラムズフェルドは癇癪起こすことあり、ネグロポンテはどこまでも声の抑揚がかわらない外交官、という風に性格は相反するがシブトサは双方相当なものです。

片方はイラク開戦から現在まで、陣頭指揮苦節数年、もう一方は開戦時の国連大使としてパウエル長官の陰に隠れてやり過ごし、イラク暫定政権発足とともに新設された米大使館の初代大使に任命されるやすぐに現職に呼び返され、汚れ役を経験しなかったラッキーな男。わたしはラムゼーの肩を持ちます。(了)



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