安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ブレア、労働党のガラガラポン
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〈 Mon, 01 May 2006 〉


●ブレアを襲ったトリプルパンチ
ブレア首相を襲った最近のトリプルパンチ:その一はヒモつき政治資金融資を受けた問題。ブレアは違法と思わないとツッパねているが、イギリス人がナアナアでお金を融通したりするもんですか、必ず引き替えの条件が有る。その二つはクラーク内務大臣の責任問題。これは千人ほどの送還するべき外国人収容者を間違って釈放してしまたこと。うち80人ほどが凶悪犯だった。三つ目はいま全英興味の中心になってしまったプレスコット副首相の不倫である。なにやらクリントンとモニカ・ルインスキーの不倫と形/内容が酷似していて、ただしプレスコットの相手は分別ある大人の不倫といえばよいか、アソビと心得ていた。だが男が否定すると、事態は大きくなる。私はウソツキじゃないとルインスキーと同様、泣いて名誉を守りつつ、暴露をメディアに売りつけるのです。

ブレア首相はもうズタズタ、ここへきて満身創痍の様子は見苦しい。イラクに戦争を仕掛けたのは議会の賛成を取り付けたのであり、緒端は支持率を上げた。その後一向によくならない情勢に支持率は急降下したけれど、それは小泉さんとて同じである。小泉さんは最後の月日をエンジョイできて、ブレアの落ち目に歯止めがかからない理由は、小泉さんのように不動の退陣日程を出さなかったことが響いている。小泉首相が「もう一回!」なんて首相の座に固執していたら、自民党内からも見放されて孤立無援のヘンジンにされるところだった。

●粘り強さが仇となる
ブレアは何事にも粘り強い。それがこのトリプルスキャンダルの対応にもよくあらわれていて、クラークを弁護しプレスコットを解任せず、せいいっぱい努力するのである。これじゃ国民にも、関係ない私にも、ブレアは悪者の味方をしているとしか見えない。

ブレア首相としてはここまで落ち目になった以上、今期いっぱいで退陣はあたりまえ、5月4日の地方選挙では、労働党が議席を大幅に失うのは明らかだ。複数の世論調査で保守党が労働党を上回り、自民党が20%くらい取る。これをしかしブレアは本気に考えていない。選挙後直ちに内閣改造、あわよくば「もうう一回」を夢想しているのです。ハッキリ言わないが理由はそれしかない。

それから、頻繁に行われていたブッシュとブレアの会談が最近途絶えている。電話回数も減っているようで、英米の親密度は変わらないが、首脳個人レベルでは距離をおくようになった。互いに相手は過去の人と思い始めたように。
(了)



Pnorama Box制作委員会

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