安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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原油高騰、2度目の70ドル台に、
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〈 Tue, 18 Apr 2006 〉


●産油国ナイジェリアとイランの政情不透明
前回、原油先ものが70ドル台に上ったのは台風カトリーナがニューオーリンズを水浸しにしたとき、昨年の8月以来である。製油所など沿岸の石油施設をマヒさせたときでした。今回は長引くナイジェアの内乱に加えて、石油国イランの核開発に対する緊張が2大要因。

ナイジェリアの方は、シェル石油社のオフショー生産が、人質などは解放されたが政情不安定でフル稼働からほど遠い。内乱は酷くなっても鎮まることはない状況で、ナイジェリアオイルの供給不安的は確実に長引く。

イラン石油の不安定はもっと悪い。アフマディネジャドは心理的にはすでに米と戦争をはじめている。各クラブ入り宣言、ウラン濃縮成功の日を『原子力の日』として国の祝祭日に制定する、平和的と枕詞をつけておいて核開発に邁進する……など国際世論にわざと挑むような強硬路線を突っ走る。ボクシングで言えば、ファイティングポーズで、早くかかってこい!とジャブを繰り出しているのである。米のイラン核施設攻撃計画がメディアに浮上したのはそういう状況下にあり、燻りにウチワを使ったような効果を生んだ。

●イランの支援金を受けたハマス
昨日(月)テルアビブで、ハマスに属する過激派による自爆攻撃があった。ハマスがパレスチナの新政府になってはじめての自爆である。イランはこのハマスに支援額5千万ドルを決定し、昨日ハマス代表がテヘランでとアフマディネジャドと会談した所である。政府職員の給与が払えない財船破綻のハマス政府は、はロシア、カタールと、イランの支援で一息つけるようになった。こういうことが起らないよう、米欧はパレスチナ/ハマス政府になんらかの形でギリギリの送金をしておくべきだったのに………。

ハマスが自爆攻撃を自衛とし、非難できないジレンマは、自爆殉教を褒めるイランから「義金」を受け取った手前もある。イランの殉教過激派は米に対する自爆メンバーを200人用意していると公言している。同時にイラン攻撃はあまりにもリスクが高く、米はせめてこないと政府はタカをくくっているが、この言い方は末期フセイン政権とまった同じではないか。いつか来た道、戦争への道。

●原油高で困る国、困らない国。
そうなると石油高は80-90ドルに、今年中に100ドルの日だってアリです。衝突がいつか避けられるとしても、最低半年は緊張が増し、原油も高騰するだろう。日本のガソリンも上がります。しかし不平は言っても経済を窒息させるようなことはない。それくらいは吸収できる経済だろうと思う。いまノルウーではガソリン1リットル200円、高いといいながらそれで車の使用を減らしたという話は聞かない。原油高影響が大きい国は開発途上国と、効率の悪い一次産業を抱える中国だろうか。輸出国ロシアはほくほくだ。(了)



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