安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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黄砂と酸性雨、およびイランの核など
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〈 Sat, 15 Apr 2006 〉


●黄砂と酸性雨がやってくる
北京が黄砂のうえに酸性雨という。原因はどちらもハッキリしているので対策を性根いれてやってもらいたいのだけれど、どんどん悪くなるのでしょうね。オゾン層破壊、温室効果、気候変動……地球破滅の最大元凶と言われないよう、御願いしたいのは山々なれど、無為だろうな。勝ち組がイケイケドンドンの心理でいるかぎり、中国政府がいくら規制しても効果はない。すでにさんざ見てきた通りである。

酸性雨と黄砂が一緒になって北京を覆えば、並木通りの樹木は枯れ葉病になるだろう。中和剤を散布したって追っつきません。それでやっと腰をあげてくれるなら、いっそみんな枯れちまえ!なんて空想がもたげてくる。

困ったことに、大気は循環する。北半球では西から東へ、中国上空の黄砂と酸性雨を含む雨雲は日本へも降り注ぐ。そこから先は広い太平洋と人の住まないロシアの極北だから、そのへんで黄砂は落ちて消えるだろう。そうすると人的被害が出て抗議する国は日本しかない。ニーパンだけか、そんならどうってことない、なんてとりあえず中国首脳はホっとする。靖国カード、中国脅威論カード、尖閣カード、黙らせるカードはいろいろある。

●非力な大UN機関IAEA
IAEAのエルバラダイはダメって、この人のことはそれしか書いてこなかった。安保理は理事国の思惑があって、なかなか決まらないからこそ、番犬機関は番犬らしく吠えて噛み付く使命がある、とおもう。エルバラダイは温厚沈着忍耐と、言い換えれば八方美人の傾向があり、はっきり言ってアンキャパシティー、無能。ノーベル平和賞を喜んでもらうほどに自覚がない。

だから、どこへい行っても説得などできようがない。イランでロクに話もしないうちにピリオド打たれて、「協議は建設的、ウラン濃縮成功は確認できない」。なんちゅーことか。バカにされて、こういう時こそ席を蹴って吠えなくちゃいかんのだ。

それにしても、イランが核開発を進めることはわかりきったこと、各国固有の権利と言う立場だから、ハメネイというヒジリが背後に控えるアフマディネジャフの政権が続く限り核計画は不変だ。西側が手をこまねいているのもまずいので、何らかの強行姿勢を次の安保理で出す。出すけれど、経済制裁くらいでは屁のつっぱりにもならない。秋頃に核施設数カ所を爆破させる可能性はある。しかし、この攻撃計画がNYタイムスのセイモア・ハーシュの暴露を皮切りに解禁とばかり一斉にメディアが後に続いたが、あれにブッシュは心底怒りましたね。ムキにるからもっとホントらしくなった。しかしあれで実行しにくくなったのも事実。

米としては、もう10年以上前か、イラクの核施設爆破を見事に遂行したイスラエルに、イランのもやらせるつもりだったが、シャロンが沈没し、パレスチナ新政府や、イスラエルの選挙でひとまず断られた。秋頃ならイスラエルが一役演ずるかもしれません。(了)



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