安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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米の中国人不法移民の送還に応じた中国
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〈 Thu, 06 Apr 2006 〉


●前代未聞の良心的中国政策
中国がアメリカに不法滞在する中国人の送還を受け入れるというワシントンタイムズのメール速報が当地5日のお昼に入った。そんなことアリ? 暫定的といえ、どういう風の吹き回しか、じゃ日本にいる不法滞在者も引き受けてくれるのかしら?

中国側の言うには『政府は不法移民に断固反対する』と、原則論はそうだったそうで、ならば、いままでさんざ米が交渉しようとしてもなぜ議題にのせなかったのか。蒸し返しはしないが、いい方向だ。4月20日にワシントンに行く胡錦濤が気まずい思いをしないための方策、あとでアイデンティティーを確認するさいいくらでも証明不十分とか引き延ばしを見込んでのことかもしれない。ま、こうスっと意見を変えられると疑いたくもなるわ。そうでしょう、いくらなんでも4万人近い中国人不法入国者を「よっしゃ、引き取りしましょう」と、そんな社会的余裕はない国だ。手持ちドルがいくらあってもこの問題には役立たない。

●国家安全保障省の白星
ところでごく最近、上院公聴会で中国人不法滞在者の数、というより人口が37000人で身柄拘束が700人、それにかかる費用がいくら、要するに中国不法滞在者に米の税金を◯○◯○◯○ドル使っている……などなどの実態報告がありました。

どうやらあの頃から米は強引に動き出したようだ。で、その交渉役が国務省ではなくてそうか、国家安全保障省だった。ここは治安に携わる雑多省庁局を合併してブッシュが仲間のトム・リッジを長官に据えて発足したアメリカ最大の機関である。職員18万、十八万もいるのです。そのわりにはパっとせず、カタリーナの対応遅れでミソをつけ、ためにリッジは辞任した。後任にリッジの下にいた、やはりカタリーナ水害のときTVによく出ていたマイケル・チェルトフが長官になった。失礼だが大物の感じはない。だからこの人が日本に来ていたなんてことは知る人も知らないようです。

WTによるとこのチェルトフ長官が中国、日本、シンガポールを回って不法移民や安全対策を話し合ってきたという。そこで中国と送還受け入れの基本合意に達し、現在スタッフが中国に残って最後のツメをおこなっている。

登録すれば読めるWTの記事 “U.S: near deal with China on illegals”は:http://insider.washingtontimes.com/articles/normal.php?StoryID=20060405-123332-7377r ちょっと気になるのは、他のメディアは全然伝えていない。(了)



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