安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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石油、中国のゴリおし引き込み線
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〈 Thu, 23 Mar 2006 〉


●動き出した中国行き石油パイプ支線
プーチンさんには精神的に疲労したり、心労がないのかしらん。中国2日の公式訪問では、石油パイプラインの支線を引くハナシを胡錦濤に『2003年5月に前回我々はモスクワで中国分岐線の前倒しに合意したではないか』とツッコまれて、プーチン騒がず。『約束を忘れたわけではない・・ことを保証する』てなぐあい。日本にはまずナホトカへを撤回してないですから。

ユコス社とたくさんのパイプ引き込み契約を交わした中国石油公司(CNPC,業界はシノペックと読む)はプーチンがホドロコフスキーを刑務所に閉じ込めてユコス社を潰したので、中国は一からやり直し。責任とってくれ!いいたくもなるわな。

● 中国のゴリおし引き込み線
支線を中国に引っ張るといっても本線ができていないのに、シノペックは4億ドル拠出しましょうと申し出た。中国は焦ってますね。とにかく支線のジャンクションから中国国境まで70キロの建設を急ごうという戦略。しかしこれは日本への計画を一顧だにしない不躾なおこないだ。

本線というのは総額25億ドルを費やしてナホトカ港に出る極東太平洋ライン日本がお金を貢いでいる。2008年に完成する予定だが、日本の支援で始めた敷設工事が支線接続点のスコロボディノまでくると、いきなり中国行きパイプの工事がはじまるわけで、中国側へさきに完成。4億ドルはそのための手付金である。

麻生外相にもう一踏ん張りしてほしいところです。麻生氏といえば、ニューヨークタイムスへの反論寄稿について、モスクワの野村大使が、NYタイムスの記事は事実誤認をもとに書かれた根拠のない主張であり、麻生氏の論を紹介して援護射撃しています。23日のモスコウタイムスにあります:www.themoscowtimes.com/stories/2006/03/23/009.html

中国はガスパイプラインを2本、直接中国に引く巨大プロジェクトにも合意。具体的な取り決めは皆無なので実態はない。だが、あとで「この件はうちが先だ」といえるようにしたいのだろう。

心労のないプーちんさんはゆっくり時間をとって少林寺拳法の少林寺を訪問した。拝殿に座ってテクワンドーの実演を黒帯プーチンは熱心にみつめている。ブッシュは北京で余暇というと教会礼拝にいったりどこまでも政治的なのだが、プーチンはしたいことはする。ソ連/ロシアの政治家は私的希望を犠牲にしませんね。ブレジネフの女性と車趣味、エリツィンのウォツカト隠し財産作りなど、スイスに貯め込んだお金を不問にすることで、プーチンに禅譲を取引きしたウワサ、さァてどうなんでしょう。(了)



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