● ウンチク、白ロシアの白
旧白ロシア、当地のメディアはいまもベラルーシと言わず白ロシアを使っている。なに、ベラルーシとは白ロシアという意味だからそれでいいのです。白は白人じゃなくて、赤青黒白で方角を表す名残りです。白は西のこと、だからロシアの西にある。

さて、大統領選は開票しなくても90パセーンとの得票率で、ルカシェンコ三選がきまっているインチキ選挙。ウズベキのカリモフやプーチンが押し込んだチェチェンのカディロフは80-90％、ムガベさえ負けるインチキ選挙なのだ。

●おとなしいベラルーシ人
南の隣国、ウクライナでは、選挙のやり直しを求めてクチマを倒したが、あのオレンジ革命はテントを持ち込み、ヤルっきゃない-熱気があった。一方、ベラルーシに悲壮感は微塵もない。

あまりにも強大な独裁者では抗議したくても尻込みします。選挙中は絶対危険、対抗馬がタッタ一度やった室内集会は、たちまち蹴散らされた。その前から対抗馬の選挙運動員３００人が逮捕され、20紙が閉鎖されている。もしやるとすれば選挙の後におとなしく集まる程度。雪の中、首都ミンスクの広場に結集した野党支持者１万人は、静かに散って行った。野党のシンボルカラー．ブルーは行き渡っていないようです。機は熟さず。とはいえ、歴史の1ページが開いた。

●失業率２％、社会格差がない独裁国家
とまあ、ルカシェンコを欧州最後の独裁者と批判する側にドップリつかるわたしですが、公平なところインチキしなくても現職独裁者が過半数をこえる世論調査が1月に出ている。ロシアから供給されるガスは、ウクライナが栓を中締めされ倍に値上げされたのに、ベラルーシ政府はヨーロッパの５分の１で買っている。

他にもロシアから８０億ドルの年間支援があり、経済は良好、ウクライナよりはるかに良い。しかも世銀の報告書には社会格差がないホンノモの経済成長という。失業率は２％以下、公式統計だから倍に見積もっても４％なら立派です。なるほどね、ルカシェンコ大統領は共産時代に集団農場組合議長でした。日々の生活が少しずつ良くなっている実感がある市民は現状維持にかたむくだろう。いまのところ民主独立を迷惑に思う市民が多い・・・。

ルカシェンコは三選を禁じている憲法を、2004年に変えてマンマと後５年居座ることになった。プーチンは今期で引退する様子ですが、2008年の選挙に向けて憲法が禁止する三選を改正するなら今年だ、タイミングはペテルスブルグのG８+がおわったあと。（了）