安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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続・東シナ海ガス田
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〈 Fri, 10 Mar 2006 〉


6日にアップしたコラム「東シナ海ガス田…」の続きです。中国側は秦剛報道官が日本側対応に反論しました。これ、決して無理難題、一方的に主張しているにあらず、中国のいい分は国際的に通用すしている。先の私見と違うじゃないか、怒鳴られそうですがそんなことはありません。

● 春暁/白樺ガス田について
「日本側に抵触しない中国近海における正常活動」との言い分は、日本側から『資源跨ぎ』がデータ証明できなければ、通る主張です。開発中止を求めるのは無理。だからこそ日本は春暁リグの中間線をはさんでリグを立てればよいのです。掘ってみたら砂水しかでなかった・・それでもいいのです。中間線を境界として画定するための ショウ・ザ・フラッグである。

これで失敗したのがサッダムです。クウェートが『国境跨ぎ』の石油を吸い上げるのに停止や分け前を何年も要求しつづけ、無視されたので思いあまって軍事行動に出たのがクウェート侵攻でした。イラク側でも採掘して対抗すればよいものを、不平だけでは味方する国がなかった。もって肝に銘ずべし。

● 中間線について
『日中の中間線を境界とするのは日本の一方的主張』というのは決して一方的ではなく、実際、国際紛争で往々落としどころになっている。が、地続きの国境から海の境界にまっすぐ延ばす角度に問題が出る。海岸の平均はどこにあるか、南シナ海では関わる国が多いので線引きはライ世紀になってもきまらないだろう。日中間はさいわい地続きでないゆえ角度の問題はなく、何処が真ん中か、陸地からの距離なら機械的にきまる。ところが、中国側は大陸からの距離であるのに対し、日本は本土から離れたた小さな島々からの距離になるため、中国側から海の彼方を見れば、すぐ近くに日本の海域がある。で、あちら側では不公平感が拭えない。日本はもちろん原理原則として主張しなければならないのですが、心情的には少々肩身がせまい。フォークランド紛争を思い出してください。アルゼンチンにいちばん近いあの岩の小島がなぜイギリス領なのか、歴史的にはいざしらず、地理的におかしいと思う人は多いはずです。

●尖閣諸島/釣魚島の帰属について
フォークランドほどでもないが、この小島は種子島と米五与那国島になが〜い列島から離れて、ポツンと大陸側にあり、最も近い台湾と浅海で結ばれている。台湾が中国なら尖閣諸島/釣魚島はそりゃもう中国領土と主張するでしょう。歴史的には日本人が使用してきた島であり、中国が近年、石油資源が有りそうだとわかってから言い出した経過と、それに合わせて作った領海法は不純、中国の国内法でしかない。そして当時は政府支援で香港から釣魚島上陸のデモが盛んに行われた。だがしかしです、そこをいくら説明して尖閣は日本の固有領土と主張してもは国際的に共感をよばない。頼みのアメリカは、沖縄占領時代の尖閣領有にもかかわらず知らんぷリするし、国連の大勢は中国よりである。時代は変わった。ほんとうは台湾と共同開発ができればよいのですがね。なお、日韓大陸棚の共同開発は言語同断、これが事実なら今後の協議はありえない。とおもっていたが、秦報道官はこのことに言及していない。ひょっとして日本側の誤解か、報道の誤りかもしれませんね。

また東シナ海における警備、モニターの自衛隊出動は中国海空軍の出動よりも多い。性能にも差があり、この面では中国側がより脅威を感じているのは事実だろう。もちろん中国側の石油活動や漁船の越境など、見張るべき活動が増えているからで、原因はあちらにある。(了)



Pnorama Box制作委員会

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