安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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北、久しぶりのミサイル実験
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〈 Thu, 09 Mar 2006 〉


● ミサイル実験が注目される国
北朝鮮がミサイルを日本海へ2発発射、中国国境地帯から北の領海内である100キロ沖に着弾した。久しぶりの実験です。この前は昨年夏、これも日本海に落ちた実験でしたが、あれと同じようなロシア型の地対空/地対艦短距離ミサイルのようです。半年に一度、これしきの軍事演習をしたくらいで非難の目で見られる北朝鮮、オリンピックでがんばったのに褒めてもらえず、いささか『憐憫の情』をお覚えますな。かといって庇いたくもないが。

ただし実験の日和が問題だ。北の要請で開かれたニューヨークでの米朝協議が行われた7日に合わせてのツヨガリである。ちゃちなミサイル2発で協議のコワモテ材料にするつもりなのでしょうか、『惻隠の情』抑えがたいですな。マクラレン報道官は『世界平和を乱す行為、発射実験凍結を守れ』と、言わざるを得ないのでしょうが、おなじように発射準備の情報を得ていた日本外務省は公表しなかった。いい節度です。

●干渉しない節度
北朝鮮は国家戦略として麻薬を売り、ニセドルを印刷して真札にローンダリングする犯罪国家である。核のヒミツ開発はいくつも前例となる国があるけれど、麻薬・ニセ札を国家事業にしている国は知らない。たとえ犯罪国家であっても、これくらいの実験は内政問題として干渉しなかった日本側の節度は、実に品格ありますぞ。

北朝鮮の悪事に韓国の反応がぬるいのは毎度のこと、北が核兵器を持とうと無頓着な韓国である。とはいえあの短距離弾道ミサイルは韓国側の都市を正確に狙えるだろう。ソウルの米軍基地、さらに横須賀、岩国、沖縄の米軍基地、米の妄想はノドンがハワイへ、テポドンがアラスカに撃ち込まれる日を怖れている。

●プルトニウムを貯め込んだものの
そういう兆候はしかしまだありません。米はいまイラクの内戦とイランの核で手が塞がっていて6カ国協議は形骸化し、その間、北はせっせとプルトニウムを貯め込んできた。核弾頭は少し増えたでしょう。けれど、核実験をしたことがなく、それを載せるタイプのミサイル開発は進んでいない。ミサイルの機動力を増す固形燃料についてもどの程度開発がすすんでいるのか、極度に燃料が欠乏する国ではムリな仕事とおもえる。(了)



Pnorama Box制作委員会

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