●米でじわじわ人気の日本酒
アメリカで日本酒の輸出が好調、05年度は53億を売った。(共同通信)て、まだ伸びる傾向にあるという。けっこうな傾向でございます。非常にデリケートな管理工程を経て、特殊なカンと経験がいるサケ造りは、ワインとおなじくらい世界中で愛されてよいとおもう。常にガツガツと食欲のある小生は、ワインの助けがなくてもおいしく食べられる。だからレストランで食事に選ぶとすれば日本酒を頂きたい。そういう選択ができればありがたいとおもう。
すでに緑茶が米でポピュラーになっているし、当地でも、アンチ・オクシデントと称して老化を防ぎ健康にいいとか広告しています。ティーメーカーがこぞって発売しているが、中国製かな、色が枯れていて妙に刺すような味がする。で、これがホントの日本茶と呑ませてあげると、干し草の味がすると困った顔をした。人それぞれ好きな緑茶でよいけれど、アメリカは日本からの緑茶を輸入しているので、そのうち当地でも良貨は悪貨を駆逐する変化がおこるかも。
●業界、文化庁、みんなで宣伝『ニポンサキ』
日本酒に関してなら欧州はまだ遠い。ブドウワインに勝てる米ワインなどあり得ないという固定観念があるのでやりにくいだろう。また和食屋で出される日本酒は銘柄が決まっていて、欧州で消費されるその日本酒はイギリスでビンズメするとき、防腐剤を余分に加えるのか、ハナにツンとくる。当地の日本レストランでは、日本で呑むとうまい銘柄なのに、防腐剤ゆえに敬遠される。ほかに安い中国産の日本酒もあり、一杯試しにもらったらお世辞にもおいしいと言えない。が、中国系が経営する日本レストランが多い昨今、どうなりますやら。
日本酒は1992年の酒税法改定以降、吟醸酒、純米酒に代表される特定名称酒と普通酒に分けられた。日本酒好きでもないかぎり、こういう製造法上の区分はわからないだろう。他にも表示として大吟醸とか純米吟醸があり、わたしとにはサッパリわからん分野である。要するに「吟味して醸造しました」という蔵元の自信作が本来の意味であるからには、呑む方としてはそのように理解しウンチクより味わいで好き嫌いをきめればよいとおもう。
おかきやあられは日本人がおもうほど一般的ではない、味もあるが噛み砕く音に恥じらいがあるためです。その点で、のどごしが良い日本酒は難点がない。日本酒文化が定着するよう安くて気軽に呑めるバーに数種のSAKE(彼らはサキと発音)を置いてもらえるようにすることが当面の目標。文化庁がバックアップするアジェンダとおもうな。そのうち、アメリカやオーストラリア産の安い大吟醸が現れ、醤油味とミソの居酒屋が海外ではやるようになれば楽しいではありませんか。(了)