安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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永田議員、隙間だらけの幕引き
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〈 Tue, 28 Feb 2006 〉


日本在住で私のコラムを読む人なら、堀江メールについて前後の事情をとくとご承知。わたしの出る幕などないのですが、くだらなく面白いドタバタ政界に遠くから感想を口出しします。

●疑問におもうこと:
メールにはヘッダーがありますね。普通はノーマル状態で日付時間と誰から誰へしか見えないが、ヘッダーをすべてつけたプリントコピーをもらえば経路がやや詳しく解る。ノーマルヘッダーのコピー以上の証拠を確かめずに信ずるほど永田議員は純粋無垢なのでしょうか、こういうものは妻や息子に見せられてもかんたんに信じないのが、家庭にもよりけりだが当地の流儀と知れ。

情報が本物だと永田議員が思った理由は「信頼できる元記者」から伝えられたという。政治家と親交があり、信頼できるという形容がつく記者というと、わたしとしてはヨイショ記事を書いたり、具合の悪いことは隠してくれる腰巾着を想像してしまう。特ダネ耳打ちに『なに?フムフム、ウイやつじゃ』と、金一封を呉れてやる昔からの伝統が、平成の世、30台の議員にそれとなく継承されていたのでした。

でもね、ホンマものの特ダネなら耳打ち記者さんが所属するメディアでスッパ抜くはず、いちやく流行記者になれるのだから、みすみす他人に手柄を上げるもんですか。その辺を問いつめれば記者にウラがとれていないことが明白だ。永田議員はなにか欠けている。

●慎むべき政治スタイル
で、氏の「謝罪会見」は、ありゃなんだ。メールを偽物と認めず、『それでも根拠はある』と沈痛にグズついている。やはり永田議員はなにか欠けていると納得した。堀江貴文と武部勤ご一家の密なウワサはわたしでさえ知りかじっている。ライブドアから武部幹事長に公表政治献金以外にもありそうな疑惑はあるだろうが、メールの真偽をそんな疑惑につつんであやふやにするのは卑劣なスタイルです。

偽メールはガセネタでした、ポカでしたと早々に謝り、本人が謹慎してそれで自民公明は一件落着してよいのではないか。ソースの秘守性は認めてよい。民主党国対委員長が辞任するの本人の意向でよし。しかしなぜこれしきのことで永田議員の辞職や代表と幹事長の責任問題が浮上するのかとなると、いかに政党間の争いといえ、わが理解の外にある。

2003年2月、国連総会議場でパウエル前国務長官は試験管に入った白いコナを見せて『たったこれだけの炭疽菌で数千の市民を殺害する威力がある』とイラク化学兵器の存在訴えた。これが開戦の大義となったが、パウエルさんは痛恨の演説としながらもこの件を理由に引責辞職したのではない。堀江送金メールくらいで、国会ニュースを占領しないでもらいたいとせつなくおもう。(了)



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