安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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財政ピンチのPAと地滑り的乱伐
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〈 Mon, 20 Feb 2006 〉


5日ぶりのコラムです。風邪一つひかず健康には自信あり、いくら忙しくてもそれくらいのストレスは平気なのですが、仕事がうまくいかない時は疲れる。イラつきます。終わり近くになって、その悪い結果が見えると、イチからやり直し。まる4日をつぶしてしまった。いま、なんとか息抜きできるところまでたどり着いたところです。さて何か書こう、思いつくまま……

●PAの星・イスマイリ・ハニヤ
ハニエを首相に推すウワサは、内定から暫定発表ときて19日、ハマスは首相候補を正式にアッバス議長に提示した。日本新聞用語ではローマ字読みにハニヤと表記するそうで、ではそのように。イスラエル、米、EUは相変わらずハマスをテロ組織として、武装解除とイスラエル共存を認めるまでは対話拒否の姿勢を変えていない。PA(パレスチナ自治政府)は支援受給が目に見えて減少し、アッバスは財政難に悲鳴をあげだしました。

イスラエルのオルメト首相は、代行徴収している税関収入とイスラエル側で働くパレスチナ人の税金を昨年12月分から返送停止しているが、これを閣議決定しちゃいました。ブッシュはイスラエルのガザ撤退後支援と選挙がらみでPA に払ったお金5000万ドルを『負けたんだから返せ』と文句つけるし、最大の貢献国であるEUは減額と遅滞アクションで報いた。今までさえ手から口への財政だったPAは、節約のためコピー用紙のないオフィスがでるしまつ。エジプトやヨルダン、アラブの親パレスチナ篤志家が寄付するお金の通路になっている海外銀行は主に米英仏にあり、ここも監視が厳しくなっている。

米・EUからの圧力はPAがハニヤ首相の組閣を承認し、ハマス主導の新政府が発足するまでの手段、穏健な政府ができるようにとの圧力で、頭から認めないわけではない。ハニヤ氏は医者にしては変人だが、民衆の和平願望を背景に頭角をあらわした人物である。イスラエルとしても口で反対のことをいいながら、ハニヤが首相になれば最良のパートナーと心で安心したのではないか。

●フィリピンの地滑り的乱伐
フィリピンの地滑りは泥が水のように流れて広がっている。土の山は滑り出すと液化するのがよくわかった。あの辺りで起きていた弱い地震だって、大雨が続いたあと、禿げ山の地盤に液化現象があったかもしれない。材木用の乱伐が原因であるのはだれでもよく知っている。しかし、南米、東南アジアなど熱帯雨林地方の森林伐採は管理国が低開発地域であることから、抜け道だらけでズサン。買い手があれば切り倒して売る役人がいるのだから止めようがない。買う方のモラルが大事と心得る。

当地ノルウエーでは熱帯性の樹木を建材に使わないコンセンサスだか決まりがあり、新築の政府関係のオフィスにアフリカ産のマホガニーだか黒檀の家具を購入したことがスキャンダルになったことがある。71年に当地の大学で働き出したころ、日本商社が東南アジアのラワン材を伐採して輸入するのはケシカランと攻められた。売る方の責任はどうなんだ、売ってくれるから買ってなぜ悪い、という私の反論はなぜか賛同を得なかった。今に思えば、金にまかせて買い付けるのはやはりよくありませんな。ちょっと飛びますが、大金で取引される絵画のオークションも、だから嫌いだ。(了)



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