安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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イランのメディア、日本モデルを提唱
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〈 Fri, 10 Feb 2006 〉


先日、IAEAがイラン核問題の国連安保付託を決めた関連で、Teheran Times(ネット英語紙)を覗くと、オピニオンの中にオヤっと目についた記事があり、「イランは核開発を必要とする」趣旨なのですが、 イラン側から見た先進国批判、と同時にイランの現体制に対する批判が見え隠れする。加えて日本の戦後成功をモデルにずいぶん高く評価している。ヘー、こういうニッポン解釈もあるのかと、それをプリントしておいたのです。貯まった種々のプリントをゴミ出しの日にポイポイ捨てる際、残ったのがこれ。日本語に訳しておきます。
http://www.tehrantimes.com/Description.asp?Da=2/6/2006&Cat=14&Num=001

Teheran Times 2006.02,06
核技術はグローバリゼーションに勝つ切り札
著者:Samira Atapour

●グローバリゼーションの罠
古いペルシャの諺に『おまえの物はおれの物』と欲張りを指すときにつかう。グローバリゼーションとはいったい何か、この諺がすべて言い表している。(余計な注:日本の諺ではこのあとに『おれの物はおれの物』がくるのですが・・)

もちろんグローバル化の論理はもっと上手に世界を欺くように造られている。「我らみな地球村の住人である。神があたえし産物資源は世界中みんなで分かち合いましょう」とか言ってグローバル化に賛成するよう仕向けるのです。

しかしながら実際は、低開発/途上国の資源をむさぼり、それらの国が永遠に先進国に依存する状況をつくるのが目的だ。グローバリストは基本的に先進国の人間だが、必要な技術を途上国に移転すると約束しながらその実、ハイテクを共用しようとはせず、ハイテク製品を売りつけているように思われる。

もうひとつペルシャの諺に:『もし人を腹を空かした依存症にしておくなら食を与えよ、しかし満腹させたければ料理の仕方を教えてやれ。』というのがある。富める国は最初の諺に習って、第3世界をいつまでも頼る国にしておこうとしている。

彼らは開発途上国の原料、石油や鉱物資源を消費するが、科学的・技術的な専門知識を決して共有しようとしない。たとえば車のエンジンを第3世界で製造組み立てを行っても、土地の技術者にはエンジンの開発技術を絶対に教えない。したがって途上国はいつまでも途上国のままで、かなりの部分を先進国に依存しつづけることになる。

ほらね、グローバリゼーションがネオリベラル植民地主義と繋がっているのがわかります。途上国はそんなワナにはまらないようバラ色の眼鏡を外し、彼らの意図を認識したうえで必要な技術の取得に奮励努力するべきです。

現在イランはウラン濃縮活動を、核燃料に使用する目的なのだが、停止するよう圧力を受けている。西側は黙って従うなら必要燃料を提供しようという。

すべての自然資源は遅かれ早かれいつか枯渇する。イランとて例外ではない。イランの石油は50〜100年後に取り尽くすと予測されている。イランのオイル埋蔵量は、たぶん孫の世代で終わりをむかえるだろう。その後は核エネルギーを得るため西側の慈悲に頼るしかなく、その代償に石油を売るばかりか様々な譲歩をいま強いられているのである。

我が国への西側の不信はあきらか、IAEAにイラン側は2年間誠実に対応したにもかかわらず、西側は国連決議に付託すると脅してきた。このプロセスは土曜日のIAEA理事会決議でクライマックスに達した。

しかるにイランへの制裁発動はイランに対するよりも西側にもっと不利になるだろう。イランが石油輸出をカットすれば西側の産業と経済は深刻なダメージを免れないのだから。さらに、イランの科学者は医学、工業/核技術の能力を過去数年蓄積してききた。経済制裁がイランの発展を阻害することはできない。

●オイルショックを逆手にとった日本モデルに学べ
この関連で、イランの状況は第二次大戦後の日本とある面で似通っている。1945年、日本は比類なきまでに破壊され、工業、交通網が酷い被害を被った。
1945年8月からから1952年4月にわたって、日本の占領政策を行った連合軍は米軍が主導した。

1947年に経済制裁が日本に適用され、その前に、米が草案した憲法によって戦争放棄と陸軍創設が禁止された。特に占領期の前半はメディア管理が厳しく、反米発言や人種問題のようなトピックスは検閲で排除された。

朝鮮戦争のあと、日本経済が顕著になった。これは生活水準の急速な向上、社会変革、自由民主党の安定した政治力のおかげである。

1973年にオイルショックが石油依存度の高い日本経済を直撃、対応策としてハイテク技術にシフトしたのである。

さて、核の平和利用を証明する我が国の自発的な方策と善意の対応にもかかわらず、IAEAがイラン核問題の国連安保理決議付託を可決したいま、イランもまたハイテクへの道を選択しなければならない。

実際、イランは制裁があろうとなかろうと、ジャパンモデルを追うべきだ。イラン国民は外国の援助をすべて忘れ、自らの能力と生来の技術に依って立たなければならない。疑いもなく満足すべき結果になるだろう。国家は自分の2本足で立ってこそ成功する。
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わたしの印象:論者の日本モデルは、日本の教育水準を考慮していないことなどかなり安易におもえ、イランが技術立国に育つか疑問。でも意気に拍手。それと、米がいまでも恩着せがましい戦後復興援助を無視したのが気に入った。中東には莫大かつ長期の支援付けで一向によくならない国がタンとあるので、それにくらべれば日本が貰った援助など、ピーナツの皮だもの。(了)



Pnorama Box制作委員会

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