安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ブッシュ年頭教書、ライブメモより
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〈 Sat, 04 Feb 2006 〉


地球世間はことのほか騒々しい昨今、数珠つなぎにおこることどもに書き遅れ、ついていけない。年頭教書の遅すぎた私感を皮切りに、猛然と追っかけよう。

●生放送を見ながらラクガキメモ
ブッシュ年頭教書のTV生放送を今年も見る。ブッシュが大統領になってから欠かさない番組で、コラムを初めてから毎年その感想を書いてきた。今年も当地時間の夜3時頃からとメモを片手にハー、ブッシュ最低支持率のおりから「アカンやろな」とウイスキーをちびちび待っておりました。あにはからんや結果は上々だぞ。支持率上げるのはたしかな印象。昨年は終始、民主党側の反感がモロに出て議場が割れた。そのことを考慮したのだと思う。

どれくらい共和党と民主党議員の反応が割れるか、割れたところをメモりました。共和党が起立拍手する一方、民主党席からブーイングが漏れた箇所、主なところを拾い出すと:
1) 情報漏洩に盗聴の権利がある 
2) Patriot Act(愛国者法)延長 
3) 実施中の所得税カットをパーマネントに 
4)イラク派遣米兵の削減はワシントンや政治家ではなく、現地軍が決定する。

あとで演説稿を読むと(拍手)が挿入される。あれでは総立ちか、共和党だけの拍手か、民主党も少数加わったのか全員音無しなのかわからない。ということで囁くようなブーイングもある雰囲気を想像されたし。

●ファルージャ戦死兵のメロドラマ
総じてイラク、中東政策の箇所は冷ややかな民主党席だが、最も長かった総立ちの拍手は、ファルージャで死んだ軍曹ダン・クレイが妻に送った手紙を読み、招待席のウラ若い未亡人(美形)とその両親を紹介したとき。こんなメロドラマで議場が渾然一体となって盛り上がる年頭教書演説なんか、ぜんぶメロドラマじゃん。などと思いながら議場の外で垂れ幕かかげて追っ払われた反戦ママ・シーハンさんはいまごろどうしてるだろう、頭をよぎる。

冒頭、ブッシュは当日死去したコレッタ・キング(M.L.キング牧師の未亡人)を哀悼し議場をシンミリさせたのが幸いしたのか、ブッシュはいっぺんに調子が出たようだ。メロドラマはインド以上に米のキーワード。さて、演説はドクを抜いたのでちょっとツマンないが全体的にソツなく秋の選挙を意識しているのがわかる。ローグウ(ならず者)国家としてシリア、ミャンマー、ジンバブエ、イラン、北朝鮮、五つの国名をあげてもムガベとか金正日とかの名ざしはせず、国際的に余計な混乱を避けた。民主党の反感を逃げるともみせず素通りした意味ではワザ師である。

●演説前と後の支持率
視聴者による支持率はCNN, CBS,ギャラップ軒並みアップである。まぁ、年頭教書スピーチ直後は毎回一時的に上がるもので下がった試しがない。今のアップぐらいでは昨年の同時期支持率より低いことに変わりない。そりゃ民主党議員に言われなくてもツッコミ入れようと思えばナンボでもありますわな。ブッシュは2月に今回の続編みたいな内容を遊説して各地を回る。一時的アップを持続させることができるか、お楽しみ。

気になること:▽閣僚が議場に入る順序がライス、スノー、ラムズフェルドの順でした。おかしいな、国務、国防、司法の序列じゃなかった?財務長官殿が2番目に入ってくるのは経済優先の年ってことかな。石油高もあるし。 
▽招待席の人物紹介が、ローラ夫人は別格として先に書いた一組だけでした。この少数化傾向は歓迎します。(了)



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