安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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我が家のできごと
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〈 Fri, 03 Feb 2006 〉


●おばあちゃん、頭からドバッ
わたくしごと、家の事件です:もう5日まえになります夜中、ベッド脇の電話がリーンリーン。受話器を取った家内が叫びながら走っていきました。この人走れたのかあ〜、なんて私はウトウトしていたら、『なんしてルウ、はよ下りてこんカっ』とノルウェー語ですが、パニック声で怒鳴られた。

2世帯造りの階下に住むうちのおばあちゃんは今年96才に達します。夜中にハラが減った(元気なんですわ)ので、お湯をわかして温かい飲み物を作ろうと、台所でゴトゴトやっていて居間に入ろうとした所でスベッて転びました。どこかのカドに頭をぶっつけてドバッと血が噴き出し、意識はあったのでタオルで頭を抑えながら当方に電話したのでした。うちはインターフォンがないので一軒の家の中で電話を使うのです。3つ異なる電話番号がある家ってのも珍しいがなぜかそうなっている。

イヤ、すごい量の赤い血で湯上がりタオル2枚グショグショだ。しかしエライもんでこういうときはタイルばりのシャワートイレに室にはいり、おばあちゃんは便器に腰をかけている。あと掃除がラクになるところまで考えるているのだ。わたしに台所の電熱が入ったままだから消すように言う。エライ、おそれいります。

家内が救急に電話し、となりの甥のところへ電話で起こして、入院の準備をし、自分も着替えて……家内はパニック状態だからスムースにいかない。さけびまくっている。『下着どこどこ』、おばあちゃんの下着なんかオレ知らんよ、ッタク。わたしはおばあちゃんの横にいて、どうやって転んだかのはなしを聴いているよりほかにすることもない。

でもこういう出血はタオルで押さえていると、ある程度出てしまうと止まるものですね。止まったのでキズ口をみると側頭部に1センチぐらいの切れである。鋭利な角、ハハー暖炉の下部、厚みのある石板のカドに当たったにちがいない。耳の上側頭ということは頭を強く打ち付けたのではない。それで脳シントウを起こさなかった。てなことを思い思い落ち着いてきた。おばあちゃんはわがパジャマの腰に手を回し、わたしはおばあちゃんの肩に右手をまわして救急車を待つ。おばあちゃんは血が止まったので元気をとりもどし、救急車が遅いのと常体になる。

救急のお兄さんも言ってたが、入院するほどでないと思う。案の定2時間もしないで救急センターから帰ってきた。頭をインド人のターバンのようにグルグル巻きにしている。さっそく新しい帽子のように鏡にうつす96才のおばあちゃん。女性の生命力はスゴイ。

私が小さいとき、手摺からおちて庭石でおデコを1センチあまり切ったとき、3針縫った。そのあとがまだあるヘタクソな治療でした。今日の医療は縫わない。ノリみたいなもので塞いでターバンをまく。このターバンは翌日ゆっくり目覚めたおばあちゃんの頭からスポリとはずれ、それを期に被らなくなったのだけれど。

といういきさつ。それで血液を増やすにはどうすればよいか、赤ワインがよい。翌日から毎日夕食にワインが出るようになり、ありがたやの毎日でした。だがもうおばあちゃんは自分でというので、いまは家内と二人そくさくと食べるだけ。ワインは日曜だけにもどりました。世はなべてこともなし。(了)



Pnorama Box制作委員会

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