安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ビンラーデンがブッシュに和解提案
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〈 Fri, 20 Jan 2006 〉


●希代のカリスマ
連続ものを一回飛ばして、ウサマ・ビンラーデンの音声テープについて。世界のブログのテーマはウサマ関係がトップ、ウサマって人気あるのですね。13ヶ月ぶりに声だけ聞かせてトップ記事になる人間なんて、天地創造いらい天地終焉までウサマ以外にないだろう・・・。

つられて私もひとこと云っておこうと、テープの全文をに目をとおしました。http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/middle_east/4628932.stm (ほかにAP通信の訳あり)ウサマの講釈は前回のテープも全訳文を読んで、その支離滅裂な論法をコラムでこき下ろしました。昨年12月に録音したと推察される今回のテープは、ウサマがブッシュに成り代わって、私があなたならこれするとか、「停戦しようよ」ってな部分もあって、やや思い迷っている感じがする。


ウサマ演説は、ザワヒリ副官やイラクの代理人ザルカウイの攻撃一点張りの喋りとひと味違う内省的で昂らない語り口に人を惹き付ける魅力がある。このところ音声だけだが、TVで過去の映像と重ねて画面に現れと古風なアウラが漂う。

現実に照らせば、本家本元のアルカイダ組織は粉砕され、隠れるだけで精一杯の孤立した逃亡者にすぎない。と解っていてもウツシ世ともおもえぬアウラにウットリする。究極のカリスマですな。しかしヴィデオで姿を見せられない肉体的理由はなんだろう。

「準備ができ次第米本土を攻撃する」という文言はこれがないと体裁が悪いので加味したにすぎない。ブッシュに親が諭すような言い方で「支持率下がっただろう、イスラムと争ってはいけない。米国の世論にしたがって早く兵士を帰してあげなさい。莫大な戦費の浪費をせず、停戦によって互いに安穏に暮らしましょう。そうして我々はイラクとアフガニスタンを復興します」。

さて、現実にもどるとウサマのテープはアラブで総スカン、イラクでは最低の評価よりまだ悪い。ウサマがイラクやアフガニスタンを復興するなどもってのほか。市場で、モスクで、お祭りやお葬式に無差別自爆テロかける武装集団が勝利しては困るのです。米は歯牙にもかけず一蹴した。当然。

●ウサマの遺言?
訳文からちょっと面白い比喩をあげておこう:
『海に泳ぐ者は雨を怖れない』 
『ウソとゴマカシを神が禁じる国に住まう我々』
『小さな武器でソ連と10年戦いに耐え彼らの資金を干し上げた 』
締めくくりの言葉は 『死の苦渋を味わっても自由の人間であることを誓う』
どこやら死期の迫った老兵のセリフをおもわせる。(了)

●付記:ウサマの語り、24の演説集がノルウェ−語に翻訳して4月にオスロで出版される。『自由発言基金』という財団から1000部ほど限定出版される。



Pnorama Box制作委員会

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