●バード・フルーもなんのその
H5N1鳥インフルエンザがトルコの東端から西進、国中に蔓延した。トルコの感染者は15人から木曜日18人に増加。いまやほとんどトルコ中の鶏、鴨、七面鳥を処分する事態に発展した。ちょうど東京では鳥インフルエンザの国際会議が行われている。
そのさなかに小泉首相は5日間のトルコ親善訪問を楽しんだ。そんなことは国際ニュースをいくら探しても出てこないけれど、トルコでは話題になったようです。アジアの集まりでは靖国をシチに厄介者扱いされた小泉さんが、イメージアップに海外でもてるところをアピールしたい。シャロンとの会談は流れたが、さてどこがよいか……トルコ。ここは外交懸案なし、係争事件なし、知日ではないが親日国である。(だから15年も首相訪問がなかった。)
欧州からはその裏庭に迫ったH5N1蔓延への対処をうるさく迫られるが、日本の首相は激励し協力して取り組みましょうとおだやか。リラックスするとリップサービスが苦もなく口を出るものです。
●首相ほど素敵な商売はなし♪
イ・イ戦争(1985年)でテヘランに残された邦人250人を救出した機長に直接大げさな感謝をする首相に、はてそこまでする必要がありますかね。あの時は日航が規則のどうのこうのと引き受けない。自衛隊機の海外飛行は憲法で禁じられているというアホらしい論議に、中曽根さんがトルコ航空にお金を払って飛行機を出してもらった。トルコがいわばビジネスで受注した20年前の事件に現首相が当の機長に I am extremely happy that I, as Prime Misister of Japan, am able to personally thank you. と謝辞をのべる。機長は内心そら恥ずかしいだろう。
エルドガン首相を喜ばせました。
その1:エルドガン首相からPKK(クルド労働党)のテロ活動阻止のため「クルド=日本友好協会」を封鎖してほしいとの要請に、封鎖はともかくPKKのテロ活動阻止のため両国の作業部会を4月に行うことで同意。これはトルコ、イラン、イラク、シリアにまたがって住む「クルド人問題」に関わる。個人的にはチェチェンと同様に被抑圧民族の主権回復を無視すべきだないとおもう。
その2:ギリシャがEUに加盟してから、トルコ帰属を主張する北キプロスはEUから経済制裁を受けているが、日本は経済制裁を課していない。小泉首相は今後も北キプロスと貿易を発展させ、航空路線開設も可能、帰ってトルコをプロモーとしましょう、と日本人観光客でうるおうトルコにまた一つ朗報をおまけされました。
小泉さんは日土協会で折り鶴を(くだらない)披露。合唱団に♪ウーシュクダラギーレリッケンアウブドビリヤンムー♪をリクエスト、あるいは日本の円借款を受けている「ボスポラス海峡海底トンネル」工事を視察。気持ちのいい首相醍醐味の5日間でありました。(了)