安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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何処にいるのかキム〜
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〈 Wed, 11 Jan 2006 〉


●秘密保持、情報漏洩を許さない3国
金正日総書記は特別列車に乗って中国側へ入った。とそこから先がわからない。北京、いや素通りして上海へ、いえいいえ中国では誰とも会わずロシアへ向かった、等々メディアは振り回されている。韓国情報機関が掴んでいないなら日本の公安局が知る気配はない。

とはいえこのコラムがアップされる頃は金正日がどこにいるか、中露朝の2国から公式発表があるだろう。だがそれよりも、こういう秘密保持を可能にする国が存在することに、いまさらながら驚く。一国の長がお供を豪勢に引き連れてお召し列車でゴトンゴトン長い外国旅行に出る現実が世間に知られず可能だろうか。今回で3度目ですぞ!インターネットの世の中に、摩訶不思議である。(米はスパイ衛星で行く先を解明しているがそれは公表できない。) かような芸当ができるのは中露朝の3国よりほかにない。この3国が絡むと、国際問題はなにもかもブレーキがかかる。

拉致を批判する国連全体決議がだされたが、安保理審議は中露の反対で見送られた。イランが10日とうとう核施設封印を外し、ウラン濃縮再開に踏み切ったが、これとて米が言うように安保理決議ができるか疑わしい。めずらしく怒ったシラクさんの形相からフランスは米英と同調する。だが中露は、特に中国は根強く反対する。理由はいうまでもなく石油と、眠ったままのガスである。

●中国の資源渉猟に政体・歴史問題はない
中国のエネルギー資源抱き込みはいよいよ激しく、最近の動きはスーダンとの大型契約、ナイジェリア石油企業の資本45%を取得、胡錦濤は中国石油公司幹部を連れてカザクスタンを訪問したばかり、イランとの計画もいろいろある。今日あたりはボリビアの新大統領モラレスを胡錦濤がむかえ抱きしめているだろう。資源を得るためには独裁だろうが世襲専制だろうが政治形態、歴史問題かなぐり捨てて中国は抱擁する。胡主席は金正日を抱きしめるのである。

中国は大量の石油が必要で、資源確保のための積極外交自体は善悪の問題ではない。なりふりかまわない外交手段を問題視するのであって、国際協調のスキ間をついて腐敗政権にテコいれし、石油利権を得るようなことを続けていてはいずれシッペ返しを受けるでしょう。

●北京公用、上海展望
おっと、本題を忘れた。金正日はどこにいるか、中国です。中国には8日から14日までの予定で北朝鮮人民会議のNo.2か3のスポークスマンにあたる人物(金ワンキー)が北京にきている。6カ国協議がはじまった3年前から中・朝は急速に接近し、いまや両国の貿易高は年間100ビリオンドルを超える。昨年10月胡錦濤が平壌で金正日と抱き合い、両国の産業経済協力を詳しく話し合った。鉱物資源開発への投資である。8日の新華社通信から推測するとワンキー氏はその約束の履行について、将軍さまがお越しのまえに具体的な協定を詰めているとおもわれるからです。

正日総書記の主要目的は北京で各種協定にサインし、一昨年感激した上海をもう一度よっく見ること。米の金融制裁については中国が北にできることはない。(了)



Pnorama Box制作委員会

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