安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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イスラエル次期首相、オルメルトがややリード
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〈 Mon, 09 Jan 2006 〉


●世論調査
日曜、イスラエルの『TV2』が行った次期首相は誰は良いか、世論調査です。
エウド.オルメルト(カディマ)財務大臣/首相代行 28%
シモン・ペレス(カディマ) 老練政治家  23%
ベンジャミン・ナタニエフ(リクード党首)元首相 23%
アミール・ペレツ(労働党党首) 16%

総選挙(3月)が今日行われた場合、総議席120:
カデイマ(前進) 37議席 
労働党 20
リクード 17

巨魁シャロンの後継首相として、パッとしないオルメルト代行がリードしている。これを評してBusiness as usual と、皮肉とも安堵ともとれる解説がありました。新党カディマはシャロンが倒れてから、シャロン政策の継続を願う支持層が拡大していることを如実に示している。ガザ撤退を完了したいま、次に西岸の一部入植地を撤去するシャロンの方針の遂行である。を言い換えれば、これからは人物より政策が主体になる。

●エウド・オルメルトEhud Olmert
人物より政策・・尤も至極ではありますが、紛争地帯の指導者は決断力が必須の条件。ズルズルと事態に引きずられる指導者ではツマラない。さて、オルメルト氏ですが、この人と指導力の関係がテーマになったことはいままで一度もない。シャロンと長く行動をともにしてきた右腕、なんちゅうのはインチキ解説、徹頭徹尾引っ付き虫のイエスマンです。シャロンが入植地を拡大した時は拡大に賛成し、撤去する時には撤去に賛成し、新党結成にイの一番に移籍した。
ボロクそにこき下ろすようですが、個人的な意見ではない。そういう批評が定着していたのです。

それが、不可解な後継競争の滑り出しに先頭にいるではないか。シャロンはそんなつもりで代行に指名したのではなかろう。ただし長く政界にいるだけあってウラわざができる。ペレスを取り込んで地歩を固め、国民的人気は高かったが、腹芸にウブなライバルの国防大臣モファスや法務大臣のMsリヴィニを出し抜いた。

●シモン・ペレスShimon Peres
アラファト議長、ラビン首相と共に外相として受賞に値しないノーベル平和賞を授かる。82歳。常に権力側にいる風見鶏。労働党党首としてシャロンのリクードと連立政権を組み財務大臣に。労働党党首選に負けて大臣辞任(財務大臣のあとがまにオルメルトが就任)、カディマ発足に労働党から鞍替えしてシャロンの後ろでもう一花咲かせるつもりだった。昨日、オルメト代行と談義の結果、重用閣僚ポジションを約束されて、オルメト支持を言明する。私的コメント:旬の過ぎた政治家が出る幕ではない。早く引退声明を聞きたい。

●ベンジャミン・ネタニエフBinyamin Netanyahu
56歳。元首相はオスロ合意に反対、ロードマップに反対、ガザ撤退に反対、あの撤退は失敗、イランの核施設を攻撃せよと発言して憚らない根っからのタカ派である。是非は別にしてイスラエル保守を代表する理論家、当代一のキレもの政治家である。シャロンが去ったリクードの党首になったが、リクードの支持が落ちてきた。世論調査でも凋落が明らかになった。ネタニエフのパレスチナ強行路線は国民から浮き立ったようだ。中道よりに軌道修正をはかろうとしているが、遅かりし由良之助!(了)



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