安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ガザ北部にバッファーゾーン(2)
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〈 Fri, 30 Dec 20055 〉


●岐路に立つシャロン
シャロン77歳、太り過ぎ大食漢の老体がこれまで健康だったのが奇跡にちかい。首相1日のメニューを見たことありますか、お相撲さんがびっくりする量です。甘いケーキも5人前。いつだったか最近エルサレムの日本大使公邸の晩餐会に忙中かけつけ、見事平らげていったニュースがありました。

12月18日、脳卒中で倒れたときはは対処が早かったのでことなきを得た。しかし心臓のかんたんな手術がまっている。来年3月の選挙まで老巨体の健康が維持できるか、もう一期続投すると80を超えるまでにります、無理なんじゃないか。

そうするとシャロンでもつ新党「カディマ-前進」はリクードを継いだナタニェフに負けるだろう。シャロンのあとをシモン・ペレス氏が継ぐなら、もう完全に新党は見込みなし。緩衝帯作戦「ブルースカイ」は、ガザ撤退は失敗」とするナタニエフが説得力をもちはじめた事態にリクードを牽制する作戦でもある。

●できそうで無力なアッバス
アラファト逝って光明が射し、汚職からセーフだったアッバスは出来が悪かろうがクリーンな政府をつくるだろう。ま、最初はまずまずの滑り出しだったが、実行力のないひとだ。PLO創設から30年だか40年、アラファトと一緒でありながら目立たない男、意見を述べるガッツがない男に期待するのがまちがっていた。と、これは後知恵。

まず、ポスト・アラファトの不透明な金遣いを改め、側近、そのまた側近、ファタ幹部の汚職一掃が、あれまあ、全くできなかった。アラファト夫人スハさんの口座にある資産も結局取り戻せずウヤムヤになった。アラファトに渡った海外からの支援金通算30年の合計は、ツナミ支援金より少ないが北パキスタン地震の支援総額より多い。正確には言えないがきっときっとそうだ。

アッバスが解雇したのはアラファトの従兄弟だったムーサ(後殺害される)と少数の役人だけ。民衆から浮き上がったファタの古手はみな生き残り、「この歳になって改革なんてイヤ」という旧世代に組織改革、経済改革は無い物ねだりです。またも後知恵です、情けない。


●ファタ新世代「未来党」とハマス政治部
新年1月25日に評議会選挙がおこなわれることは先に書いた。新世代が結成したファタの新党 メ Al-Mustaqbalモ (未来党)のメンバーが、候補リストにあまりにも少なかったので、独自の候補リストを届け出、紆余曲折のすえ統一名簿にこぎ着けた。分裂はひとまず回避。こういうことならアッバスは実行力がない故にできちゃうのだな。ったく余計なことを!

なぜ余計なことをしてくれたか、:先週の地方選挙でみたようにハマスが支持をのばしている。目指す政治経済改革はファタの新世代と同じであり、もし分裂候補リストで戦えば、ハマスとファタ新世代の『未来党』が連立政権を組む可能性があった。新しいパレスチナの芽を摘み取った近視のアッバスめ。カッサムロケットと自爆テロを管理できるのはハマス政治部とファタ新世代である。(了)



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