●どっこいイラクロードマップは健在
今日15日はイラク総選挙の日、275人の国会議員を選びます。この日程は米軍が2年前作成したイラク政権委譲のプロセスである。途中移行政府の総選挙を前倒しがあったり、憲法草案の国民投票ではウヤムヤのうちにおさまった。ボイコットしたスンニの抗議に対して『詳しい修正は正式の政府ができてから再度議しましょう』というわけ。その正式政府擁立のための連邦議会選挙が日程通り今日行われる。
イラク反乱武装派の増大、米のグルーミーな厭戦気分など、事態は悪化するばかりだが、中身はともかくイラク民主化の日程は滞りなく邁進している。ブッシュにイラク政策がないと非難する前に、イラク・ロードマップは挫折していないことを考慮してほしいな。
●宗教派と世俗派の抗争
このあと年明けに選挙結果が出る。今回はスンニも選挙に参加するのでシーアの宗教派「統一イラク同盟」だけで絶対多数は難しいといわれているがもっともだ。いまのジャファリ首相は実際タヨリない。個人的には暫定政府の首相であった非宗教はアラウイ氏の再登場を期待する。
今回は昨年1月の選挙に比較して、各党の旗色が鮮明になってきた。したがってシーアの宗教派は世俗派攻撃がエスカレートして、昨日はアラウイ氏の事務所を放火した。一方スンニの方は選挙を呼びかける宗教派や穏健指導者へのテロを拡大し、ドレイミ師射殺はその一例。ドサクサに一番トクしているのがまとまりのよいクルドです。
●ターニングポイント
選挙結果にもよるが、これからは政治の舞台でスンニ、クルド、シーアとさらに各分派が争うことになる。1月中にまとまるだろうか、あまり長くると反乱グループを助長する。今日おこなわれる選挙と、結果を踏まえて自前の新政府樹立がイラク戦後の成功と失敗を分かつターニングポイント、正念場になる。(了)